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国谷裕子さん「たった一つの伝えたいこと」を探り続けた

2016年4月21日

23年間の生放送で培った、「自分の言葉」で語るコミュニケーション術

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『クローズアップ現代』では毎回、さまざまなジャンルの専門家や著名人にインタビューした。生放送で緊張しないコツは? 「“やるべきことをギリギリまでやった”と思えるまで準備すると、本番では大丈夫だと、自分に言い聞かせることができたんです」

 自分が挫折した総合テレビのキャスターとして再チャレンジの機会を得られたとき、引き受けることに迷いはなかったものの、「今度こそ失敗できない」という緊張感があった。

 当時の『クローズアップ現代』は、毎週月曜から木曜の夜9時半からの30分番組。「フローのニュースでは伝えきれない内外の動きをせき止め、視聴者のより深く知りたいという欲求に応える」というコンセプトのもと、国内外の社会、政治、経済、スポーツ、芸能、文化…とジャンルを超えたテーマを扱う新しい報道番組だった。

 「ずっと国際報道ばかりに携わっていた私にとって、扱うテーマに聖域はないという『クローズアップ現代』は全くの新境地であり、“地平線”が一気に広がりましたが、緊張感も何十倍になりました。見ている人の数が全く違いますし、その分、厳しい意見が届く機会も増えますから」

 番組の制作者の顔ぶれも大きく変わり、これまで以上に身が引き締まった。

 「衛星放送の頃は、小さなベンチャー企業のような雰囲気のなかで、少数の制作者が切磋琢磨しながら仕事をしていました。一方で『クローズアップ現代』は、NHKの組織を横断するような形でつくられる番組。報道局や制作局、全国の放送局や海外支局のほか、芸能や音楽番組の担当者からも提案が送られてくる。腕に自信のあるプロデューサーや記者たちが勢ぞろいしています。その人たちが集めてきた情報や、撮ってきた映像を、最後にバトンを受け取ってプレゼンするという役割を担うわけです。みなさんの思いをどこまで自分が背負いきれるのか、本当に伝えなければならないメッセージをちゃんと伝えられるのかということを自問自答して、その責任の重さを感じながら仕事を続けてきました」

 『クローズアップ現代』のキャスターを務めた23年間、思い出深いテーマは数えきれない。なかでも、番組が社会を動かしたと感じられる放送は忘れがたい。

 「例えば犯罪被害者支援の必要性など、番組で継続的に取り上げることで国の制度を変えることを応援できたテーマは、少なからずあります。『自死遺児』に焦点を当てたことも、その一つです。バブル崩壊後、日本経済が“失われた10年”の真っただ中にあった1998年に、年間の自殺者が3万人を超えました。リストラや倒産などによって命を絶ってしまう働き盛りの男性が急増したのです。その自殺した父親の子供たちが、どんなに苦しい思いをしているかに焦点を当てました。印象的だったのは、2001年に初めて番組で自死遺児を取り上げたディレクターの清水康之さんが、数年後にNHKを退社して自殺対策支援のNPOを作ったこと。彼はその活動を、自殺対策を国や地方自治体の義務とする自殺対策基本法の成立につなげたのです」

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