自分の業務内容を周囲に見える形にするのが苦手

 仕事をどんどん振られる傾向がある方は、自分のキャパがどのくらいか、どれだけ仕事を抱えているかを伝えるのを面倒臭がり、だったら自分がやったほうが早い、とばかりにまとめて引き受けてしまいがちです。優秀な人は特に、本気を出せばなんとかこなせてしまうため、他の人に頼めば後々ラクになるものも「自分でやったほうが早い」とサッサと終わらせてしまうのです。

 今は働きぶりをきちんと周囲が見てくれるため、あなたの仕事の処理能力の高さからすぐに仕事が終わるのだ、と理解してくれる環境にいたとしても、今後リモートワークが普及してくると、説明せずにサッサと終わらせてしまうことで「なんだ、簡単なんだ」と思われる可能性があります。今でも忙しいのに、さらにヘビーな仕事がどんどん増えていったらたまらないですよね。

仕事の「粒」を所要時間とともに見える化しよう

 そのような状態を未然に防ぐためにも、提案すると「じゃあやって」 忙しくせずに実行する方法でも述べた、「仕事の粒」を細かくする(すべきタスクを細かく分解する)ことを意識しましょう。その際に所要時間も意識してみると、自分がしている仕事がどの程度の工数がかかるものかを説明しやすくなるのでさらにいいです。

 例えば、「企画を考える」という仕事は、次のように分解できます。

□ キーワードに関連する資料を片っ端から読む(4時間)
□ 関連キーワードをGoogleアラートに登録する(5分)
□ 伝えたい主張を導く(60分)
□ 主張のメリットを考える(30分)
□ 主張したことにより出てくる反論を考える(60分)
□ 反論をどう覆すかのデータを集める(60分)
□ 予算を計算する(30分)
□ スケジュールを考える(30分)
□ 誰になにをお願いするかを考える(40分)
□ 企画資料をノートにラフで書く(60分)
□ パワーポイントで作り出す(60分)

 ここまで分解すれば、新しい仕事の依頼が来たときに、これ以上仕事を受けるには、この仕事のこの部分は後回しにしていいですか? それとも他の誰かにお願いできますか? という交渉もできるようになります。