冷えは女性の大敵。寒さ対策にヒートインナーを愛用している女性も多いのではないでしょうか? 一方でこれからの季節は乾燥が進んで静電気も起きやすく、肌トラブルを招きやすいのが悩みの種。冬の肌に適したインナー選びのコツをアオハルクリニックの小柳衣吏子先生にうかがいました。

寒さ対策のヒートインナーが、肌悩みの要因になることが!?

 いまや寒い冬に欠かせない存在となったヒートインナー。アンケートによると、20~50代女性のなんと6割近くが週6回以上ヒートインナーを着用しているとか。しかし、愛用者が増えている一方で、かゆみの要因になることも。同アンケートでも、約35%がヒートインナーで肌にかゆみなどを感じたことがあると回答している。

アオハルクリニック院長<br>小柳衣吏子(こやなぎ・えりこ)先生
アオハルクリニック院長
小柳衣吏子(こやなぎ・えりこ)先生
順天堂大学医学部卒業。同大学病院勤務などを経て、2011年よりアオハルクリニック院長。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本美容皮膚科学会会員、日本抗加齢医学会専門医

 ヒートインナーがなければ冬を越せないけれど、着て肌トラブルになるのはイヤ!働き女子のそんな「困った!」を解消するため、トラブルの原因や回避方法を、アオハルクリニック院長で皮膚科医の小柳衣吏子先生にうかがった。

 「冬の肌トラブルの原因は様々ありますが、インナーもその一因です」と小柳先生。インナーが肌トラブルとなる引き金の一つは、冬に発生しやすい静電気だという。「静電気は、実は目に見えないほどの細かな傷を肌に付けます。冬場の乾燥した肌にはそれが刺激となり、炎症やかゆみなどの引き金に。ですから素肌に触れるインナーには、静電気を起こさない素材を用いたほうがいいでしょう」

 肌を刺激するため、毛羽立った素材もインナーに向かないという。また汗は乾燥した肌を刺激するため、通気性の良さも大切。具体的には、以下の4つをポイントにヒートインナー選びをするのが望ましいという。


ヒートインナーの選び方のコツ
●毛羽立ちがなく肌がチクチクしないもの
●静電気の起きにくい素材のもの
●清潔に保つため、洗濯しやすい素材のもの
●通気性がよく、汗を吸い取る天然素材のもの

 「綿は繊維の先が丸いので刺激が少なく、通気性もいい。インナーに適した素材のひとつです」と小柳先生。汗や酸化した皮脂は肌トラブルの原因になるため、清潔に保てることもポイント。着るたびに洗濯できる素材のものを選び、ジャブジャブ洗いたい。

 「今まで自分の肌に合っていたインナーでも、加齢によるドライスキンや妊娠等によるホルモン変化の影響で、合わなくなることもあります。あとは着る人の経験値的に着心地のよい素材のものを選ぶこと。素肌に触れるものだからこそ、きちんと考えて選びたいですね」