冬真っ只中ですが、明るい色の服をまとって気分だけでも春めきたいもの。春物ファッションの一歩手前の「梅春物(うめはるもの)」について、ファッション・ジャーナリストの宮田理江さんがストリートスナップとともに解説します。

 防寒が最大のミッションになるせいで、装いがもっさりしがちな、春ちょっと手前の季節。キャラクターまで退屈に見せてしまいかねないだけに、少しの工夫で「がっかり感」を遠ざけていきたい。暖かさを保ちながらも、フェミニンでアクティブに見せたいなら、「柄と色」を味方につけて。直感的にイメージを植え付けてくれるから、上手に取り入れれば冬のおしゃれを狙い通りに染め上げやすい。

ジューシーなオレンジでイメージアップ

 2018年の注目カラーの筆頭格としてオレンジが挙げられる。みずみずしく元気なイメージが強いオレンジは、服に生かすだけで、フレッシュなキャラクターを印象づけられる。

 しっとり大人っぽく演出するには、「落ち感」を意識したい。ミモレ丈のロングアウターとハイウエスト気味のスカートが縦長イメージをダブルでアピール。オレンジを引き立てる、爽やかな白のカットソーがクリーンなムードを添えた。羽根のようにも葉っぱのようにも見える柄を全体に散らしたスカートが上品なたたずまい。白とオレンジのツートーンでまとめているから、色味がきつく見えていない。