出来事に対する意味づけは自分で変えられる

 このように、起きた出来事に関するラベルを変えることを日々行っていった結果、まるで歩くポジティブ大辞典のように周囲から思われるようになった私ですが、今でも時に落ち込み、ネガティブな思いと一緒に生きています。それでも、「自分はまだまだダメだ」と自己嫌悪に陥るということは、まだまだ私には「のびしろ」が残っている!と言ったように、一度徹底的に落ち込んだ後に自分に対するポジティブな声かけができるからバランスが保てているのです。この習慣のおかげで、徐々に思考が変わり、行動が変わり、性格が変わり、運命も変わってきたことを実感しています。

仕事か家庭か選ぶのではなく、仕事も家庭もできる

 先日、ダイバーシティをテーマにした1日研修を行ったとき、今後私たちが直面するキャリアにおいてのリスクをどうポジティブ変換していくか、というグループワークを行いました。そのとき、参加者の女性から印象深い言葉を聞きました。

 「2分の1の力でそこそこやる、と思うのではなく、2倍の人生を生きている、と考える」

 彼女たちのグループでは、出産や結婚による仕事の両立に不安を持つ人が多かったそうです。「仕事か家庭か」の選択軸で考えるとつい萎縮してしまうような将来ですが、「仕事も家庭も経験できる、2倍の人生を楽しめている」と考えたら、これからの未来がずっと楽しいものになってきませんか?

 このように、意味づけを自分自身で変えることができます。意味づけを変えることで、行動も変わります。最初から自信がある人なんてまれなこと。自信は、失敗の上に積み重ねていくものです。

 発信するのはあなたにとってリスクだと最初は思ってしまうかもしれませんが、発信というリスクを取ることで、相手の反応を知り、相手の反応から自分を知ることができます。自分のダメなところも、周囲に本気でぶつかってチャレンジしていかないと見えません。チャレンジすれば落ち込むことは一時的に増えるかもしれませんが、その分「のびしろ」は増えます。心の中であれこれと考えているうちは、自分の「のびしろ」は仮説でしかないのです。