SNSを見てモヤモヤ、他者から言われた言葉に必要以上に傷つく。仕事が予定通りに進まなくてイライラ――世の中も自分も「不寛容」だと感じていませんか。心理カウンセラーの下園壮太さんが、自分を追い込まずに寛容力を育てていくコツを教えてくれます。第1回は、「不寛容」が気になるときほど意識したい、「疲れ」について。

集中できないのもイライラするのも「疲労」が原因

 あなたが「寛容になりたい」と思うのはどんなときでしょうか。

 職場の誰かの言動にイライラしたとき? SNSで身近な人の充実ぶりを見て素直に喜べないとき? いちいち感情を揺さぶられる自分に「なんて自分の器は小さいんだろう」とうんざりしてしまうかもしれませんが、そんなときに思い返してほしいフレーズがあります。それは、

「人は、悩み事で悩むのではなく、エネルギー低下で悩む」

ということなのです。

そのイライラ、エネルギー低下によるものです (C) PIXTA

 日々直面するストレスは、あなたの寛容力を奪っていきます。

 同僚のミスのせいで仕事が一つ増えた、というようなささいな出来事、あるいは長年付き合っていた恋人と別れた喪失感など、ストレスの大きさはさまざまでしょう。しかし、これらのストレスがどのぐらい自分にダメージを及ぼしているのか、目には見えないだけに想像しにくいですね。実はここで鍵を握っているのが、あなたの「エネルギー量」なのです。

 私は、現代人の疲れを、下の図のように「第1段階」「第2段階」「第3段階」に分けてとらえています。第1段階から第3段階に進むにつれ、疲れは深くなっていきます。同時に減少していくのが、あなたのエネルギー量。エネルギーとは、物事に対処し切り抜ける力、苦しいことがあっても復活する力と言い換えてもいい。段階が進みつれ、それだけエネルギー量も失われていくので、同じストレスに直面しても、現れる体や心の反応が変わっていきます。

エネルギー量が低下すると、感情や身体症状も変化していく

 例えば、あなたの同僚や後輩がささいなミスをしてそのフォローをあなたが頼まれたとします。

 エネルギー量が第1段階のときであれば、「仕方ないな。面倒だけど手伝ってあげよう」と寛容に対応できていたのに、第2段階のときに同じ出来事があると「どうして私ばっかりフォローさせられるの?」「はー、こんなミスするなんて信じられない」とイライラするように。さらに第3段階になるとあなたは自分自身を責めるようになり「どうしてこんなささいなことに私はイライラするんだろう。私がダメだからだ」と思うようにもなります。

 人はこのようなとき、「自分の性格がゆがんでいるから」「寛容力が足りないから」と決めつけてしまいがちですが、それよりもエネルギーの低下そのものが人の価値観を変える重要な要因になるのだ、ということをぜひご理解いただきたいと思います。