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一人ぼっちでも大丈夫? 「友達ゼロ」の人の結末

2017年6月16日

人間関係に詳しい明治大学文学部の諸富祥彦教授に聞く

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 東日本大震災後、改めて「絆」の重要性を痛感した日本人。様々な場所で「誰かとつながること」の大切さが叫ばれています。SNSをはじめとして、“絆を確認するツール”も大流行。けれど、多くの人が友達作り・友達付き合いに励む一方、ほとんど友人がいない“孤独女子”もいるはず。
 友人の数に関する統計には様々なものがある。社会人の平均は10人前後だけれど、どんな調査を見ても「友達はいない」という層は5〜6%は存在する。社会人になって、それなりに充実した人生を送って、信頼できる同僚や愛すべき家族もいるけれど、「友達」と呼べる相手は極めて少ないか、ゼロ——。そんな人もいるはずです。
 「絆全盛」の今、友達が少ない人はまずいことなの?(聞き手/日経ビジネス編集部デスク・鈴木信行)

この人に聞きました

諸富祥彦(もろとみ・よしひこ)氏
臨床心理士/上級教育カウンセラー

1963 年福岡県生まれ。筑波大学人間学類卒業、同大学院博士課程修了。英イーストアングリア大学、米トランスパーソナル心理学研究所客員研究員、千葉大学教育学部講師、助教授を経て、明治大学文学部教授。教育学博士。日本トランスパーソナル学会会長、日本カウンセリング学会理事、日本産業カウンセリング学会理事、日本生徒指導学会理事。著書多数

——友達が少ない、もしくはいない人は、ずばり人間として、何らかの“欠陥”があるのでしょうか。

諸富:「友達がいない」といっても様々なケースがあります。自分の人生を充実させるため人間関係に過剰に時間を奪われるのが嫌で、人脈を整理していたら、いつの間にか一人で過ごす時間が多くなった、という場合もあるでしょうし、友達が欲しくてしょうがない、飲み会に誘ってもらいたくてしょうがない、なのに周囲から嫌われて泣く泣く孤立しているという場合もある。今日のテーマはどちらでしょう。

——前者です。今、話題のSNEP(孤立無業者)などではなく、会社に入って10〜20年、紆余曲折を経ながらそれなりに充実した日々を過ごしてきた。信頼できる同僚も、愛する家族もいる。けれど、若い頃ならまだしも、仕事に子育てにと時間に追われる生活をしているうちに、同窓会などからは足が遠のき、会社の人間と休日まで交流する気にはなれず、ふと気がつけば「友達」と呼べる相手は極めて少ないか、ゼロ。例えば、そんなケースです。

諸富:ああ、でしたら問題ありません。

——ですが世間的には、「友達が少ないのは良くないこと」「友達がいないのは変な人」という雰囲気が蔓延している気がしますが。

諸富:いやいや、僕に言わせれば、「誰かと絶えずくっつくことで安心感を獲得し、そうでない人間を排除しようとする人たち」こそ、よほど問題だと思いますよ。

 「一人の時間を過ごせる力」、言い換えれば「孤独力」は、現代をタフに、しなやかに、クリエーティブに生きるための必須能力で、今からの時代、ますます大切になっていきます。その意味では、ビジネスパーソンに限らず、孤独を愛する人は、人生を充実させる上で強烈なアドバンテージを持っていると言っていい。

——でも現実に世間では、「交友関係が狭いのは悪しきこと」という空気が漂っていませんか。何かというと群れたがり、“孤独者”を許そうとはしない人も多い。職場でも、会社によっては、「友達がいない人間は価値が低い」「同僚と昼食を取らない人はどこか問題がある」「単独行動が多いのはわがまま」と認定する価値観が色濃く残っています。

諸富:確かに。その結果として「ランチメイト症候群」みたいな現象も出てくる。

——昼食を一緒に食べる相手のいない会社員、特に女性社員が、鬱やノイローゼにまでなってしまう現象のことですね。あれなどは、本人や周囲が「友達がいないのは人間として問題である」と思い込んでいるから起きるものでしょう。逆に、「友達は多ければ多いほどいい」とばかりに、部員全員で毎日ランチに行くことを事実上強制され、時間やお金の浪費に頭を悩ませている会社員も存在します。

諸富:いけませんね。昼休みぐらい「一人の時間」を作らないと、いいアイデアなんて浮かびません。本当に優れた発想というのは、一人で自分の内面と深く会話している時にこそ生まれるものなんですから。

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