体にいいものはおいしい、おいしいものは体にいい

黒住「ダイエットに効果のあると期待される『バニリン』という成分は、梅の甘い匂いのもとだそうですね。ということは、みなべ町の南高梅のように完熟して、甘い香りのする梅から作られた梅干しには、より高い健康効果があると考えていいでしょうか?」

宇都宮さん「その通りです。バニリンは果物の食べごろサインと同様、梅の成熟と共に分泌される成分なので、完熟梅にバニリンが多く含まれると考えられます」

南高梅のふるさと「みなべ町」ってどんな町?

 女性に嬉しい健康&美容パワーが詰まった南高梅のふるさと、和歌山県みなべ町役場には「うめ課」という部署があり、梅を中心とした町づくりを推進しています。うめ課2年目の中田紗希さんによると、県内でも医療費の低さがトップクラスなのだとか。これは毎日梅干しを食べている町民が多く、その効果もあるのかもしれません。

中田さん「みなべ町では、400年前から梅の栽培が続いています。里山の斜面を利用し、高品質な梅を持続的に生産してきた『みなべ・田辺の梅システム』」は、日本に8地域しかない『世界農業遺産』にも認定されています。また、みなべ町の女性農家は、とてもパワフル。2017年2月には、みなべ町で『全国ウメ生産者女性サミット』が開かれます。農作業姿にドレスアップした女性たちがランウェイを歩く『UMEガールズコレクション』が見どころですよ」

 和歌山県には、熊野古道や高野山などの世界遺産もありますから、梅の花が咲く季節に、観光を兼ねて訪れるのもおすすめです。

宇都宮さん「私は大分県出身なのですが、研究のためみなべ町に行って最初に、『まぶしい』と思ったんです。この話をうめ課の課長にしたところ、『まぶしいのは子どもが多いから。これはすべて梅のおかげなんです』と言われました」

黒住「私も取材でみなべ町へ行きましたが、海があって、山があって、夕日がきれいで、本当に明るいと感じる町でした。今度はぜひ家族を連れていきたいと思っています。今日のお話を聞いて、健康と美容のために、これから毎日、梅干しを3粒ずつ食べようと決めました」