「手帳を活用しよう!」と決意しても、気付けば挫折……心当たりはありませんか。そんなあなたのために、特集「仕事の悩みが解決する手帳術」がスタートしました。第二回の今回は、手帳を使って日々の時間の余裕を増やすためのポイントを、「会社では教えてもらえない 仕事が速い人の手帳・メモのキホン」の著者・伊庭正康さんに伺いました。

手帳を使って日々の余裕を増やす

 朝から時間に追われて、気づけばもう退社時間。やむなく残業……という毎日を送っていませんか。疲れがたまると、仕事のパフォーマンスも落ちてしまいます。そんなルーティンから抜け出すための手帳メソッドをご紹介いただくのは、伊庭正康さんです。営業職だった会社員時代に全国トップの成績を何度も取っていたといいますが、残業は一切なし。そのパフォーマンスを手帳が支えていたそうです。

1.退社時間にラインを引く

「絶対にこの時間に帰る!」
「絶対にこの時間に帰る!」

 「まずは退社時間にラインを引きましょう」と伊庭さん。18時が退社時間なら、そこにラインを引き、「18時以降は絶対に仕事をしない」と決めてしまうのです。

 「これは、私が手帳術を教わった上司に、真っ先に言われたことです。『残業をする前提で仕事をしていないか?』と。確かに、そうなんです。時間があると思うと、どうしても気が緩んでしまうもの。使える時間が限られてしまえば、必然的に『本当にやらなければいけないこと』を考えるようになります

 伊庭さんも最初は全く仕事が終わらなくて焦ったそうですが、タスクに優先順位をつけたり、仕事の進め方を見直したりして、同じ仕事量でも少しずつ時間短縮をすることができるように。これまで通りでは仕事が残ってしまうのではじめは抵抗があるかもしれませんが、「何からやらなければいけないか」「もっと効率の良い方法はないか」と、常に考え続けることが結果的に自分のためになるのかもしれません。ただ、どうしても終わらない日もあると思うのですが……?

 「私も最初はそうでした。そういう日は、残業するのではなく、翌朝少し早く来て仕事をするようにしましょう。人間は、疲れがたまってくる夜より、リフレッシュした朝のほうが集中できるものです。朝に仕事をしたほうが、かかる時間も少なくて済みますよ」

 慣れないうちは、習い事や飲み会など、退社後に予定を入れてしまうのがおすすめとのこと。無理やりにでも退社時間を守ることで、それが習慣になっていくんですね。