4.忘れるためにメモを活用

記憶装置としても、手帳を活用
記憶装置としても、手帳を活用

 バーチカルタイプの伊庭さんの手帳は、時間軸以外の部分にもいろいろ書き込みがあります。スケジュール以外にはどんなことを書かれているのでしょうか?

チームの予定や、取引先の動向をメモしておくことがありますね。これは皆さんにもおすすめです。上司に承認をもらわなくてはいけないのに、ちょうど出張に出てしまった……となると困ってしまいますよね。それを防ぐために、自分の仕事と関連しそうな人たちの予定を書き込んでおくと便利です」

 また、メモページにもあれこれ書き込まれています。ページをめくりながら、「これ、何のことだったかな……」とつぶやく伊庭さん。

「電車の中など、ちょっとしたときに浮かんだアイデアをメモしているんです。自分で振り返っても『こんなことあったかな?』と思うこともありますよ。そのくらい、人間ってすぐに忘れてしまうものなんです。ですから何でもとにかくメモしておくことにしています。忘れた頃に何かのヒントになることもあって、面白いですよ」

 今回は、毎日に余裕を持たせるためのポイントを4つ伺いました。1日30分余裕ができるだけでも、それが1週間、1カ月と積み重なっていけば、ずいぶん大きな時間になりますね。まずは何か一つ、試してみませんか? 次回は、手帳を使って自分のやりたいことをかなえるための方法を伺います。

<手帳で時間をつくり出す4つのポイント>

・退社時間にラインを引く
・タスクをスケジュールに組み込む
・予定は詳細まで書いておく
・ささいなこともメモに残す

聞き手・文/薮内久美子 写真/編集部

<この人に聞きました>
伊庭 正康(いば・まさやす)
伊庭 正康(いば・まさやす)
らしさラボ 代表取締役
リクルートグループにて、4万件を超える営業活動を行う。多忙な毎日を手帳によるスケジューリングで支え、残業をしないスタイルで年間の全国トップ表彰を4度、累計40回以上の表彰を受けるなど高い成果を残す。2011年に独立した後は、セールスコンサルタントとして営業研修等を手がけている。研修・講演・コーチングは年間200回以上。主な著作に「会社では教えてもらえない 仕事が速い人の手帳・メモのキホン」「神速仕事術40」がある。