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舞台は世界! 日本を飛び出して見えたこと

組織は私に向かない―ラオスで図書館造りに夢中の日々

2018年3月22日

モン族の民話に導かれ、山奥の村で図書館造り

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 現在ラオスのビエンチャンで暮らす安井さん。「ラオス山の子ども文庫基金」を立ち上げ、子どもたちに良質な絵本を届け、モン族に伝わる貴重な民話を後世に残そうと奮闘中だ。そのきっかけは、20代前半でNGOのスタッフとしてタイの難民キャンプへ出掛けたことだった。わずか2週間の滞在が、その後の彼女の人生を変えていく。やりたいことだけ選んでいったら今があるという安井さんに、仕事、そして結婚のお話まで、たっぷりと伺った。

◆モン文化研究・図書館活動家 安井清子さんインタビュー
第1回 就活を辞めてラオスへ! 移住し図書館を設立した女性
第2回 組織は私に向かない―ラオスで図書館造りに夢中の日々(この記事)
第3回 43歳の私に年下のラオス人がプロポーズ その結果… 3月29日公開予定

モン族の子どもたちが作った、驚きの絵本

安井清子(やすい・きよこ)
モン文化研究・図書館活動家。1985年にNGOのスタッフとして、タイのラオス難民キャンプでモン族の子どもたちのための図書館活動に携わって以来、現在もラオスにて子ども図書館の活動に関わる。また、モン族の口承文化を記録・継承する活動も行っている。「ラオス山の子ども文庫基金」代表、ビエンチャン在住。著書に、「ラオスの山からやってきた モンの民話」(ディンディガルベル)「ラオス 山の村に図書館ができた」(福音館書店)など。

 難民キャンプの夜は、電気のない真っ暗闇。懐中電灯の明かりの中に、自分の子を抱いたおじさんが座り、子どもたちが囲んでいます。やがておじさんは低い声で、「むか~しむかし」と語り始めました。

 そのときの私には、物語の内容までは分かりませんでしたが、ただ、「言葉が生きている! 語りってすごい!」ということを強烈に感じました。おじさんの言葉に、昼間はやんちゃな子どもたちがじーっと耳を傾けていて、彼らには物語のシーンが見えていたんですね。

 「モン族に民話があるなら、集めなくちゃ!」そう思い、電池で動くラジカセを用意して、録音させてもらうようになりました。昼間、図書館でそれを再生すると、子どもも大人も夢中で聞くんです。年長の子どもは、録音した民話を書き下す作業を始めました。モン族にもともと文字はありませんが、アルファベットでモン語を表記する書き方があって、その方法で書いていったんです。それを見て私は、「これで本を作れたらいいな」と考え、子どもたちに「刺しゅうで本を作らない?」と提案したんです。モン族は、伝統的な刺しゅうの技術を持っていたからです。

 子どもたちは乗り気で、手初めに「おおきなかぶ」を作ろうということになりました。私は布と糸を渡すだけで、すべては子どもたちにお任せです。男の子が下絵を書き、女の子が刺しゅうをしていきます。するとわずか1週間で、驚くような作品に仕上がったんです!

モン族の子どもたちが刺しゅうで作った「おおきなかぶ」

 「おおきなかぶ」はロシア民話で、私が見せた絵本でも、登場人物はロシアの服を着ていました。でも、出来上がった彼らの「おおきなかぶ」は、おじいさんもおばあさんもモン族の民族衣装を着ていたんです。刺しゅうの技は素晴らしく、ページごとに別の子が刺したので、ネコやイヌの色がそれぞれ違うのも楽しくて(笑)。彼らの感性から生まれた彼らの世界観に、とても感動しました。

 その後子どもたちは、絵本で知った外国のお話だけでなく、自分たちの民話も刺しゅうし、全部で100話近くの本を作りました。絵本なんて見たこともなかった子どもたちが、こんなに素晴らしい刺しゅう絵本を作り出したのです。難民キャンプの援助活動の中で、彼ら自身の持っている力を引き出せたことが、私自身としては一番誇れるところかと思います。

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