1.分けて考える

 もしかしたら、あなたは会社、上司、同僚からの期待や空気を読んで対応するのは、「社会人として当然の義務だ」と思い込み過ぎているのかもしれません。しかし、周囲の期待に完璧に応えることは、あなたの義務ではありません。

 誰にでも、キャパシティーがあります。自分の限界を超えてまで仕事をすることはできません。むしろ、安請け合いや無理をし過ぎて、あなたが体調を壊ししてしまうことのほうが、デメリットが大きいこともあるのです。

 相手の意向と、自分が提供できるものにギャップがあることは、少なくありません。あなたは自分の考えやキャパを主張してもいいのです。その上で、現実的な落としどころを探っていくのが、オススメです。

 これを、アドラー心理学では「課題の分離」といいます。あなたは、あなたがコントロールできることに集中すればいいのです。相手にしかコントロールできないものは、相手の課題として捉える。

 このように境界線を引くことで、あなたが具体的にすべきことが明確になっていくのです。「相手の期待に100%応える」など、あなたがコントロールできないことをやろうとすると、エネルギーを消耗するだけで、思うような成果が出ません。

 まずは、「周囲の期待」と「あなたのキャパ」を分けて考えてみましょう。

2.「仕事の一つ」と捉える

 あなたが、無理し過ぎて周囲に合わせてしまうのはどんなときですか?

 自分の意見や考えを言う、有給を取る、残業の必要がないときに定時に帰る、キャパオーバーのときに仕事を断る、気乗りしないランチや飲みの誘いを断るなど、無理しすぎてしまう場面は、人によって異なります。

 まずは、あなたが無理し過ぎてしまう場面を特定しましょう。特定できたら、その場面で「意見を言う」「休む」「断る」ことなどは、「仕事の一つなのだ」と捉えてみてください。

 あなたが、ピア・プレッシャーに圧倒されずに、適切な行動を取ることは、「わがまま」や「スタンドプレー」ではありません。仕事の一環なのです。そう捉えられるようになると、あなたがプレッシャーに感じていることも比較的容易にできるようになります。