公開直前にゲティ役のケビン・スペイシーが訴えられた
身内に悩まされたのは作中の登場人物だけでなく、本作のスタッフも「事件」に巻き込まれたことで話題になりました。
ゲティを演じていたケビン・スペイシーがセクハラ疑惑で訴えられたことで、急きょキャストの変更が決定したのです。
前代未聞の再撮影となったわけですが、ここでケビン・スペイシーの代役として名優クリストファー・プラマーを迎えることに。結果として、わずか9日間でゲティの再撮影を終えたのです。
監督のリドリー・スコットは「ロケ地の確保、俳優たちのスケジュールなど、物理的に可能かどうか確信が持てなかった。しかしクリストファーの技量なら、この役をこなせるという絶対的な自信はあった」と振り返っています。
その言葉の通り、いえ、それ以上に、これが再撮影だとは信じられないくらいにゲティがスクリーンで輝いて見えます。むしろクリストファーこそがゲティにふさわしいほどに。
作中だけでなく現場も身内に悩まされた本作。しかしその仕上がりは完璧であり、奇跡の大逆転を見せてくれます。ぜひ劇場でご覧ください。「お金より大切なもの」が見つかるはずです。
それではまた。映画カタリストのゆうせいでした。
『ゲティ家の身代金』
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配給:KADOKAWA
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文/永井勇成