家計簿とダイエットは似ている

 毎月毎月赤字続き、何度チャレンジしても貯金ができない、とお悩みの人に話を聞くと、生活費がどれくらいかかっているのかをあまり把握していない傾向があります。でも、その人たちが口をそろえて言うのが、「昔は家計簿を付けていた」ということ。家計のやりくりでお悩みの人は決して怠けているわけではないことが多いのです。

 でも、たいていは途中でやめてしまったといいます。なぜ、家計簿は続かないのでしょうか?

 実は、家計簿はダイエットにとてもよく似ています。そして、家計簿に挫折してしまう理由も、ダイエットに失敗する理由に似ています。挫折する理由は、おもに2つあります。

 1つ目が、「おのれの姿を見るのが嫌だから」。家計簿を付けると、毎月使ったお金を記録していきます。すると、ほとんどの場合は自分の予想以上にお金を使っていることに気づきます。使っているときにはさほど大きな出費をしたつもりはなくても、月末になると「こんなに使っちゃったんだ!」と驚くのです。

 そんなとき、まじめな人ほど「どうしてあんなに使っちゃったんだろう」と罪悪感にさいなまれます。来月はもっと引き締めなくちゃ、と意識して次の月に臨むのですが、すぐに劇的に支出を減らすのは難しいもの。自分の思い通りの家計にならないと、しだいにやる気がなくなってきてしまいます。

 やがて、月末の支出高を見なくなってしまいます。「生活費●●万円を使っている私」の姿を、怖くて見たくないからです。これはダイエットでも同じこと。「体重●●kgの私」の姿を見たくないと思うと、体重計からどうにも足が遠のいてしまいますよね。鏡の前にもなるべく立たないようにしてみたり……。そうして見てみぬふりを続けているうちに、すっかり太っちゃった、なんてこともあります。家計でも、「いくら使っているか」という現実から目を背けると、ますます支出が膨らんでしまいます。

 家計簿は自分を映す鏡と同じ。成功させるには、「自分の姿」を見る勇気が必要です。すぐには理想通りの姿にならなくても、「これからは今より良くなるから!」と、理想の姿を重ね合わせてみれば、きっと気持ちが軽くなるはずです。