「自分戦略」を立ててきましたか?

はぴきゃり 金澤 ここからは、質問に対して◯か×の札を上げていただきます。最初の質問は、「20代の頃に思い描いていたキャリア通りに歩んでいる」です。船木さんが◯で、他の3名は×ですね。×の方からお話を伺います。

武田薬品工業 榊原 20代の頃は「あの先輩のようになりたい」「新商品を作って市場を変えたい」などとぼんやり考えていましたが、職種や立場の変化に伴い、キャリアプランも変わっていきました。ですから、想定通りではなかったという意味で×です。今「先のことが見えない」と感じている方も、焦らなくて大丈夫だと思います。自分の立場が変われば見える世界も変わりますから。私も、これからまた違う世界が見えてくるかもしれません。

日産自動車 谷内 20代は毎日必死で、戦略は全く考えていなかったですね。とにかく車が好きで、仕事がしたくて、「仕事をください」と言い続けて、気付けばここにいた……というイメージです。

東芝 原 私もキャリアプランは立てていませんでした。母が専業主婦だったので、自分もそうなるのかなと思っていたくらいです。ただ、人事の仕事に携わった時に、10年後、20年後を見据えたキャリアを描くことの重要さを改めて実感しました。そこでようやく、目指すべき場所が見えてきたような気がします。

はぴきゃり 金澤 ◯を選んだ船木さんはいかがでしょう。

日本電産 船木 漠然としていますが、20代から「自立した人間として、グローバルな仕事をしたい」という夢を持っていて、それは今でもブレていません。両親から、「地球のどこでも生きていくことのできる自立した人になってね」と育てられたのが大きかったのかもしれません。結婚や主人の転勤というライフイベントがあって、何年かは計画が止まっていたのですが、その後仕事を再開して、また夢に近づくことができました。

○と×の札を使って質問に答えていきます
○と×の札を使って質問に答えていきます

「こんな仕事をするために会社にいるんじゃない」と感じたら

はぴきゃり 金澤 仕事をしていると、ときには不本意なことを任されるときもあると思います。そういうときはどうされてきましたか?

武田薬品工業 榊原 「この仕事をすると決めたのは私なんだ」と気分を切り替えるようにしていました。「プラダを着た悪魔」という映画が好きなのですが、アルバイトに向かって「これはあなたが決めたことよ」と言うワンシーンがあります。アルバイトや社員という立場を問わず、自分の行動の責任は自分にあるのだと教えてもらいました。

日産自動車 谷内 「車が好き」という入社当時の気持ちを思い出して、「この仕事が、お客様へよい車を提供することにつながるんだ」と考えるようにしていました。あとは、仕事と遊びの比率が「8:2」などと片寄るとストレスがたまるので、仕事が「8」なら遊びも「8」になるように、おいしいものを食べたり旅行をしたりしていました。

東芝 原 結果論ですが、振り返ってみるとすべての仕事に意味があったと思うんです。単純作業でも、それによってチェック能力が磨かれたということもありました。ですから、仕事を任されたら「いつかこの仕事も身になる」と考えるようにしています。