CRAZYの最終選考「人生プレゼン」は、創業1年目から続く取り組みです。社員が60名を超えた今でも、プレゼンには全員が立ち会っています。一見、非効率とも思えるこの制度には、どのような狙いがあるのでしょうか。リクルーティング リーダーを務める吉田勇佑さんにお話を伺いました。
一見「非効率」なことこそ効率的
――「人生プレゼン」を始めたきっかけは何ですか?
「人生プレゼン」は、創業1期目、7人目の社員を採用する際に始まりました。それまでは、もともと深いつながりがあったメンバーばかりでしたが、7人目となった社員はまったく新しいメンバーで、かつ大企業から転職しようとしていました。社員数人のベンチャー企業で働く覚悟が本当にあるのか、それを問うためにはどんな仕組みが必要なのか、それを創業者の森山自らが考え、「人生プレゼン」は生まれました。自分の生きる道を、CRAZYに入社する意味を、10分間で皆に伝えるというものです。
――プレゼンには社員全員が立ち会うということですが、人事や社長、役員だけでないのはなぜですか?
CRAZYの経営の優先順位は1位が「健康」、2位が「人間関係」です。会社というチームで成果を上げ続けるには、互いの価値観や人生そのものを深く知ることが必要だという、創業当初から変わらない思いがあります。ですから、「全員」でなければ意味がないんです。
実は、CRAZYでは明確な採用フローが決まっていません。先輩の面談や現場でのインターンは全員が経験しますが、会う人数もインターンの内容も人によってさまざまです。私たちは「CRAZY WEDDING」という事業でオーダーメイドウエディングを提供していますから、選考もその人に合わせてオーダーメイド。その人に必要だと思う採用フローを毎回一から考えています。
10分間のプレゼンのためにわざわざ全社員が集まるというのも、採用フローを都度考えるというのも、一見ものすごく非効率に見えるかもしれません。しかし、CRAZYには「非効率は効率だ」という考え方があります。短期的に見たら手間も時間もかかる非効率な「人生プレゼン」があるからこそ、仲間のことを深く知ることができ、それが仕事の質に直結する。実際、入社後のコミュニケーションは円滑ですよ。
社員全員が採用を自分事として考えている
――社員全員が承認しないと採用に至らないということは、1人1人が採用担当だということですね。
その意識は強いと思います。採用するかしないかということよりも、「その人にとってCRAZYに参加するという判断がベストなのか」を全員が考えているんです。その人のやりたいことが、本当にCRAZYでかなうのか。それを受け止める最終の場が「人生プレゼン」です。ですから、プレゼンターには変に自分を取り繕わず、正直な想いを語ってもらいたい。一人の人生が懸かっている場なので、どんなに繁忙期だったとしても社員から文句が出ることはありません。この場の重要性を、全員が心から理解しているんですね。