後輩もできて、部署での立場は中堅どころ。にもかかわらず、仕事に時間がかかり過ぎる、なかなかミスが減らせない…。そんな悩める働き女子へ、ビジネスインストラクターの鈴木真理子さんがアドバイス! 30歳、やる気はあるが「ムラ・ムダ・ヌケ」だらけのやる子に、経験豊富なすずまり姉さんが愛をこめて指南するコラム。今回は、忘れ物に気付いて慌てるやる子を、すずまり姉さんがサポート&指南するお話です。

(登場人物)

やる子(30歳) & すずまり姉さん(40代)
左:やる子(30歳)/仕事に対しては真面目で、やる気も十分なのに、なぜかいつも空回り……。ミスやムダが多く、残業しているのは自分だけという状況もしばしば。

右:すずまり姉さん(40代)/効率よくスマートに仕事をこなす。過去に数多の過ちをやらかした経験からミス、ムダ、残業を忌み嫌う。厳しさと愛をもって全力で後輩を指導中。 

外出先で忘れ物に気付くこと、よくありませんか?

 取引先のウーマン社で、新規プロジェクトの顔合わせに参加することとなったやる子。約束の時間にも余裕をもって到着し、待ち合わせ場所でお目付け役のすずまり姉さんを待ち構えます。

やる子 「すずまり姉さんより早く着いていれば、きっと褒められるはず! ……この後、いろんな人と会えるのも楽しみだなぁ」

 そう言いながらやる子は、名刺の枚数をチェックすべく、バッグを探り始めました。

やる子 「あ、あれ? ……名刺ケースがない! ヤバイ!」

 顔を覚えてもらう場にもかかわらず、なんと名刺を忘れてしまったやる子。額にじんわりと、イヤ~な汗が浮かんできます。と、そこへ……。カツカツカツ! の音を響かせて、救世主が降臨。

すずまり姉さん 「お待たせ、やる子。早いじゃない……って、あ~た、何その顔!」

やる子 「私の顔のことはいいんです……。それより姉さん、すみません! 名刺、忘れちゃいました……」

すずまり姉さん 「なんですと! 今日は挨拶がメインなのに、名乗るものがなくてどうするつもり?」

 その言葉にしゅんとして、反省の言葉を口にしたやる子に、すずまり姉さんはサッと名刺ケースを手渡します。

すずまり姉さん 「な~んちゃって」

やる子 「あ、私の名刺ケース!」

すずまり姉さん 「そ~よ。ミーティングルームに置いてあったって、営業の子が届けてくれたの。これからやる子に会うって言ったら、託されちゃった」

やる子 「ありがとうございます! 助かった~。もう、ずっと姉さんについていきます!」

すずまり姉さん 「今日はたまたまフォローできたけど、毎度そういうわけにはいかないんだからね。これから教えることを実践して、忘れ物グセは今日限りでサヨナラしちゃいましょ」