大切なお客様をもてなす接待は、いわばビジネスの潤滑油。一昔前ほどではないにしろ、業種によってはまだまだ行われる機会が残っています。一方で、ノウハウやマナーを教わることは意外と少ないもの。そこで、人選やお店選び、当日の振る舞いなど、接待や会食の際に必要なことをすずまり姉さんに聞きました。
クライアントの接待、社内飲み会と同じノリじゃダメだよね…?
厳しい寒さが続く、ある冬の日の朝。相も変わらず元気に出社してきたやる子は、上機嫌でコートを脱いでデスクへ向かおうとします。と、そこへやって来たのがすずまり姉さん。寒さのせいか、いつもなら高らかに響くはずのヒール音を聞かせることなく登場です。
すずまり姉さん 「おはよう、やる子。うぅ、さぶい。今日は一段とさぶいわね~。ズボン下をはいてくればよかったワイ」
やる子 「おはようございます、すずまり姉さん。とりあえず、ズボン下って何でしたっけ?」
すずまり姉さん 「これまた知らんのかい。あれよあれ、ラクダのももひきみたいなやつ」
やる子 「ラクダのももひき……ああ、おじいちゃんがはくやつ。も~、姉さん、わざと言ってからかってますね」
すずまり姉さん 「わざとなんかじゃないわよ。そんなことよりコートを掛けたいから、そこの衣紋掛けを取ってもらっていい? あ、チョッキも脱がなくちゃ」
やる子 「……絶対、わざと言ってますね……。それより姉さん、ちょっとお願いがあるんです。今度、新規のクライアントとの会食をセッティングするんですが、実は私、接待の場を仕切るのって初めてでよく分からなくて」
すずまり姉さん 「あらそう。じゃあ、ランチのときにでもコツを教えましょか!」
やる子 「おお、ありがとうございます! 実はその中にちょっと気になる人がいるんで、スマートに仕切りたいんですよね」
すずまり姉さん 「あらあらあら、赤くなっちゃって。すてきな殿方? そうとくりゃ、あっしも気合い入れて手ほどきしますぜ!」
やる子 「……いや、ありがたいんですけど、なんで江戸っ子口調?」