• ビジネス
  • xTECH
  • クロストレンド
  • 医療
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

「人はなぜ、ハリー・ポッターから勇気をもらう?」を説く

2016年6月23日

魔法界と、私たちの日常が重なる壮大なファンタジー

このエントリーをはてなブックマークに追加
Facebookでシェア

「哲学」ってむずかしいことだと思っていませんか? 「哲学」とは、「ものごとの正体を知ること」。哲学者の小川仁志さんが、身近なことを題材に分かりやすく哲学の視点から読み解きます。今回のテーマは、映画「ハリーポッターと賢者の石」。私は、グリフィンドールに入りたい。

「ハリーポッター」の非日常性と日常性

 誰もが愛するファンタジー小説の新しい古典「ハリーポッター」。小説、映画ともども、どの作品をとっても大人気ですが、とりわけ最初の映画「ハリーポッターと賢者の石」は、コアなファンでなくとも一度は見たことのある有名な作品でしょう。

 主人公のハリーは、両親を失い、ただ意地悪な親戚に育てられるだけのみじめな人間だと思い込んでいました。ところが、なんと魔法の世界では一目置かれる伝説の存在だったのです。そして11歳の誕生日に、魔法の世界から迎えが来て、魔法の学校に通うことになります。

 そこで知ったのは、自分に課された宿命です。いわば魔法の世界におけるエリートの血筋を持つハリーは、それがゆえに天賦の才能を有しており、時に他の生徒や教師たちから疎まれます。同じエリートの生徒からライバル視されたり、教師からもうぬぼれて経験を軽んじていると叱責されたり。

 ただ、ハリーは決して才能にうぬぼれることなどありませんでした。むしろ勇気と友情のために果敢に敵に挑み、どんどん強くなっていくのです。ここがこの物語の痛快な部分でもあります。そしてハリーだけでなく、仲間たちもまた努力によって能力を高めていきます。その意味では、この物語においては、天賦の才能よりもむしろ努力の大切さを説いているようにも思えます。

 実際、仲間のロンは血筋こそよくありませんが、魔法のチェスでは体を張った大事な役割を果たします。そしてヒロインと言ってもいいハーマイオニーは、まさに猛勉強によって知識を得、魔法使いとしての能力を高めていくのです。

 そこで思い出すのは、哲学の世界における大陸合理論とイギリス経験論の対立です。大陸合理論とは、フランスの哲学者デカルトをはじめとするヨーロッパ大陸の哲学者たちの思想を指します。とりわけデカルトの唱えた生得観念が象徴的です。

ルネ・デカルト(1596-1650)。フランスの哲学者・科学者。徹底的に疑うことで物事の本質を探究する「方法的懐疑」という方法論を確立。著書に『方法序説』、『情念論』等がある。

この記事をSNSにシェアする

このエントリーをはてなブックマークに追加
Facebookでシェア

Facebookコメント

※Facebookのコメント機能は、Facebookのソーシャルプラグイン機能を用いて実現してい ます。本機能、およびコメントの内容について、日経ウーマンオンラインは一切の責任を負い ません(日経ウーマンオンラインからのコメントを除く)。また、コメントを非表示にしたり、機能を停止することがあります。

Profile
小川 仁志
小川 仁志(おがわ ひとし)
哲学者・山口大学国際総合科学部准教授
1970年、京都府生まれ。京都大学法学部卒、名古屋市立大学大学院博士後期課程修了。博士(人間文化)。米プリンストン大学客員研究員(2011年度)。商店街で「哲学カフェ」を主宰するなど、市民のための哲学を実践している。専門は公共哲学。著書に『7日間で突然頭がよくなる本』、『世界のエリートが学んでいる教養としての日本哲学』(共にPHP研究所)等多数。
関連キーワードから記事を探す
教養・マナーコミュニケーション術

Topics

CloseUp

WOL Selection

PAGE TOP

ログインしていません。

  • ログイン
  • 無料会員登録

Pickup

Focus

最新刊のご案内

仕事を楽しむ 暮らしを楽しむ日経ウーマン 5月号

もっと健康に、もっと美しく日経ヘルス 5月号

働くママ&パパに役立つウェブマガジン日経DUAL 4月号

なぜか好かれる人の1日5分の新習慣

読んだら必ず「もっと早く教えてくれよ」と叫ぶお金の増やし方

日経ウーマンオンライン おすすめの本

日経ウーマンオンライン

広告をスキップ