日本ビジネスメール協会の平野友朗さんが、働く女性から寄せられたメールにまつわる悩みにお答えする短期集中連載。今よりさらに仕事をする上でスマートなメールの返信で「この人と仕事がしたい」と思ってもらうようなアドバイスをしていただきます。
働き女子が使ったら「なんかこの人、感じがいいな」と思われるような、「気が利いて、印象が上がるフレーズ」はありますか? どのようなことが要点になるでしょうか。
メールが味気なくなってしまう。ストレートすぎる表現になっていないか心配。それを避けるためのテクニックをお伝えします。まず、すぐに使えるのがクッション言葉。文字通りストレートな表現を和らげるクッションのような役割を果たします。
この表現でも十分です。通常のメールではよく使われるフレーズです。相手が忙しいので配慮したい。今回のスケジュールは多少無理があるのは分かっている。そのようなときこそクッション言葉の出番です。
こうすることによって、相手に対する配慮が伝わります。クッション言葉はこれだけではありません。一覧でご紹介しましょう。
・お手数をおかけいたしますが
・お手数をおかけして申し訳ございませんが
・恐れ入りますが
・大変恐縮でございますが
・ご都合がよろしければ
ここで注意があります。このようなクッション言葉が連続で出てきたら、どう感じるでしょうか。人によっては恐縮しすぎて違和感がある。テンプレートではないか。リズムが悪くて読みにくい。そのように感じるかもしれません。
大変お手数ではございますが、ご確認よろしくお願いいたします。
恐れ入りますが、3月31日(木)までのご返信をお待ちしております。
これだと読みづらいですね。このようにクッション言葉を連続で使うのは避けましょう。
大変お手数ではございますが、3月31日(木)までのご返信をお待ちしております。
それでは、ご確認よろしくお願いいたします。
相手に対する配慮は他にもいろいろとできます。たとえば、体調に対する配慮。このあたりもメールの冒頭や最後に入れることができます。通常のメールに時候の挨拶は不要です。しかし、ときには天候や季節の話題を入れることが、メールに一味加えることになります。
花粉症は大丈夫ですか。
今年は例年並みと聞いておりますが、マスク姿のチームメンバーが辛そうにしているので心配です。
冒頭に入れてもいいですが、慣れないうちはメールの最後の締めにひと言アクセントを加えるくらいで十分でしょう。このような、ちょっと長い、本題とは関係ない情報がメールの冒頭にあるのを嫌がる人もいます。「前置きが長い!」、「本題は何だ!」と怒らせてしまっては本末転倒です。