仕事の付き合いで行くカラオケは、気が進まなかったり緊張したりして、思い通りに歌えないという女性も多いはず。日経ウーマンオンライン読者に「仕事カラオケ」について聞くと「歌うことが得意ではない」という声も挙がりました(「仕事カラオケ」処世術 曲選びや盛り上げ方のコツは)。初心者でもある程度上手に歌うコツはあるのでしょうか? ヤマハでボーカル科の講師を務める眞田静さんに、カラオケに行く前から自分の番まで使える、手軽な上達法を教えてもらいました。

【「仕事カラオケ」を乗り切る!】
【選曲編】「仕事カラオケ」で失敗しない・盛り下げない選曲は?
【発声編】腹筋100回より簡単 カラオケで声を出す方法(この記事)

腹筋するより大事なことは?

Q.歌唱力をつけるためには、やっぱり腹筋をしたほうがいいですか?

A.リラックスすることのほうが大切です。

 よく聞かれるのですが、初心者は無理に腹筋を鍛える必要はありません。腹筋に力が入り過ぎるとキレイに声が出ないこともあります。無駄な力が入ると喉が締まってしまうので、力を抜いて歌うこと、リラックスすることのほうが大切です。

トレーニングより、まずはリラックス! (C) PIXTA
トレーニングより、まずはリラックス! (C) PIXTA

Q.そういえば、遅刻ギリギリになり、小走りでカラオケに行ったときはうまく歌えた気がしました。体を温めたほうが声が出るのでしょうか?

A.その通り。軽くジョギングするのはアリです!

 激しく走ると喉が締まってしまいますが、軽く体を温める程度のジョギングなら緊張をほぐせます。特にこの季節は、寒くて体が固まりやすいので要注意。ただ、職場でのカラオケの前に走るのは現実的ではないですよね。そこで、手軽に体を温めてリラックスできるのが、ストレッチと深呼吸です。カラオケが始まる前に化粧室で軽くストレッチをしたり、呼吸を深めておくといいでしょう。

廊下や化粧室でできるウオーミングアップ法

 カラオケの前に廊下や化粧室で手軽にできるウオーミングアップ法を教えてもらいました。

【肩や首をほぐす】
 デスクワークをしていると体はガチガチになっています。レッスンでも、職場であまり声を出さずに仕事をしている方には、最初に体を動かしてもらっています。自分に合った方法で首を回したり、肩を回したりして、体をほぐしましょう。

【顔周りのストレッチ】
 肩や首の筋肉と同じく重要なのが、表情筋です。表情筋が硬く、口が開かないと声が響きません。舌を「べー」っと大きく出してみたり、耳と頬骨の間くらいにある、口を開けたときに動く部分の筋肉を意識して「うー」「おー」の表情を繰り返すと、表情筋のストレッチになります。

 唇の力を抜いて、吐く息で「プルプルプル」と音を出す「リップトリル」は、声帯に負荷をかけずに呼吸の練習ができる方法です。表情筋が上がりますし、唇もほぐすことができます。