暑さが増すこの時期、お弁当を持ち運ぶのも心配ですよね。せっかく手洗いや調理に気をつけて作ったお弁当も、持ち運ぶうちに温度や湿度が上がると傷んでしまう可能性が。今回は、持ち運び時のコツをお届けします。

<夏のお弁当 食中毒を防ぐ4つのキホン>
◆1回目 衛生編 お弁当「食中毒」対策 包丁持ち手や角形弁当箱は注意
◆2回目 調理編 お弁当の「食中毒」隙間にいれるあの野菜に意外な盲点
◆3回目 持ち運び編 → この記事
◆4回目 便利なアイテム編 → 7月20日公開予定


保冷剤入れても10度以上で菌が繁殖

 お弁当派にとって、真夏には悩みのタネとなるお弁当の持ち運び。3回目は「持ち運び」の正しい知識とポイントについて、東京都健康安全研究センター、ライオン・快適生活研究所に教えていただきました。

 読者アンケート(日経ウーマンオンラインにて2018年6月1日から28日まで実施したWebアンケート、有効回答数536名)を見ると、「職場に着いたらすぐに冷蔵庫に入れる」という恵まれた環境の人もいましたが、ほとんどの人が「保冷剤を入れる」「保冷バッグに入れて行く」といった対策を取っていました。

 「一般的に10度以上になると食中毒の原因となる菌が繁殖しやすくなるため、『保冷は10度以下』に保つことが理想。保冷剤の量を調節して、温度が上がらないよう注意しましょう。また、おかずを作るときは中心部分の温度が75度で1分以上になるよう、しっかり加熱すると食中毒の予防になります。作ったおかずを熱いままお弁当箱に詰めてふたをしてしまうと、湯気がこもり湿度が高くなって、食中毒の原因となる細菌が繁殖しやすい環境に。よく冷ましてから、お弁当に詰めるとよいですね」(東京都健康安全研究センター・小澤悠作さん)

作ったおかずはよく冷ましてから、お弁当に詰めよう (C)PIXTA
作ったおかずはよく冷ましてから、お弁当に詰めよう (C)PIXTA

 「朝、作りたてのおかずを冷ますのに時間がかかるときは湯煎の反対の『水煎』がオススメです。氷水を張ったボウルに容器を浮かべ、おかずを入れると早く冷ますことができます。この方法以外にもおかずをかき混ぜたり、平らに広げて空気に触れる面を多くするのも効果的」(ライオン快適生活研究所・杉本美穂さん)

 うちわであおいだり、扇風機で直接強く風が当たり過ぎないよう工夫をして冷ますのも良さそうですね。

<温度についてのポイント>

・保冷剤・保冷バッグを使う場合はなるべく10度以下に保つように

・おかずは中心部分が75度で1分以上加熱し、しっかり火を通す

・おかずを詰めるときはしっかり冷ましてから