日本テレビ解説委員として夕方の報道番組「news every.」に出演中の小西美穂さん。時事の疑問に答えるコーナー「ナゼナニっ?」での分かりやすい解説が好評を集めています。報道記者を経てキャスターとなり、各界のエキスパートをゲストに迎える討論番組などを数多く経験。そんな小西さんのコミュニケーションの極意を集めた初の著書「3秒で心をつかみ10分で信頼させる聞き方・話し方」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)に注目しました!

 小西さんは、報道記者として阪神・淡路大震災などを取材し、弁護士・大平光代さんのベストセラー「だから、あなたも生きぬいて」のきっかけとなったドキュメンタリー番組を制作。ロンドン支局時代にはサッカー選手、ベッカムに地道な取材を続け、日本でのブームに火を付けます。キャスターとしてテレビ出演するようになってからは、多くのゲストを迎えながら生放送で「いかに相手の言葉を引き出すか」のスキルを磨き続け、これまで番組でインタビューした人数は1700人超。それも政治、経済、芸能と各界の第一人者ばかり、ほとんどが初対面というケースだったそう。

 「実は、コミュニケーションはちょっとした意識や工夫で誰でも身に付けられる『技術』なんです」という小西さん。働く女性がより自分らしく、周りも気持ちよく巻き込みながら仕事を楽しむポイントを教わるべく、日経ウーマンオンラインの取材チームは「news every.」の収録現場に向かいました!

小西美穂さん

日本テレビ解説委員・キャスター。1969年生まれ。兵庫県出身。1992年に読売テレビ入社。大阪で社会部記者として経験を積んだ後、2001年からロンドン特派員に。帰国後、政治部記者を経てニュースキャスターになり、討論番組など様々な番組を担当。BS日テレ「深層NEWS」では、メインキャスターを約3年半務め、現在は夕方の報道番組「news every.」で、日々のニュースをわかりやすく解説。関西出身の明るく親しみやすい人柄で幅広い層から支持を集めている。

 本番の放送15分前、日本テレビ内のスタジオに隣接した報道フロアに小西美穂さんはいた。山のような資料を手に、スタッフとギリギリまで打ち合わせている。「どう伝えたら視聴者に分かりやすいか」、妥協をしない緊張感が伝わってくる。

 それから10分後、スタジオに再び小西さんが現れた。「よろしくお願いします!」とスタッフと笑顔で目を合わせる。

スタジオに入る直前の小西さん。真剣な表情で身だしなみを最終チェック
スタジオに入る直前の小西さん。真剣な表情で身だしなみを最終チェック

 続いてメインキャスターの藤井貴彦さんも登場。キャストやスタッフと共に、本番直前の最終チェックが始まったが、先ほどの報道フロアでの空気と違ってスタジオの雰囲気は程よい緊張感はあるものの、和やかムード。時に冗談も交わし合い談笑し、本番中でもお互いにリラックスできる雰囲気づくりを心掛けているのが分かる。このチームワークが視聴者の好感も得ていることは、夕方時間帯の報道番組で6年連続視聴率1位という実績にも表れている。

すべての土台は「相手ファースト」

 早速、収録を終えた小西さんに聞いた。

――収録を見せていただいて、まず驚いたのは「これは本番中なの?」と思えるくらいの和やかな雰囲気でした。

 手前味噌ですが、キャスター陣の仲の良さは自慢です。私は6月から参加したのでまだ半年もたっていないのですが、すごく温かく迎えてもらったのはとてもありがたいですね。

 「news every.」のコンセプトは「ミンナが、生きやすく」なので、つくっている私たちもお互いをリスペクトして盛り立てていく関係性であることが大事だと思いながら、日々番組づくりをしています。「キャプテン」こと藤井貴彦キャスターが皆に声をかけて、誕生日会もよくやるんですよ。

本番中、CMが流れる短い時間でも明るく現場を和ませてくれる小西さんとメインキャスターの藤井貴彦さん
本番中、CMが流れる短い時間でも明るく現場を和ませてくれる小西さんとメインキャスターの藤井貴彦さん