「女性管理職を増やそうという流れ、社会人5年目の私には分かりません」という投稿がありました。女性管理職が増えるとどんなメリットがあるのか、健康社会学者の河合薫さんとアラサー独身OL代表ニケさんが、改めて考察する後編です。
【Q】女性管理職が増えるとどうなる?(後編)
私は現在社会人5年目です。ここ最近、会社では女性管理職を増やそうという流れになってきていますが、実際に女性の管理職を増やしたからといって何が変わるのかイメージができません。世間一般的には、女性管理職を増やしたほうが社会全体または会社にとってメリットがあるということなのでしょうか。(27歳、医療福祉関連、一般事務、独身)
【A】職場が元気になります
ニケ 前回は「差別の歴史」を教えてもらいましたが(前回記事・女性管理職は必要ですか? 差別撤廃の歴史をひも解く)、今回はその続きですね。なぜ、「女性管理職30%」なのか? 30%なんて、到底ムリだと思うんですけど……。
カワイ 実はね、政府はこっそり30%の実現を諦めてるのよ~。
ニケ マジっすか!
カワイ そうですよ。2015年の年末に「国家公務員では7%、民間企業では15%」に引き下げているの。まぁ、事実上断念したってことね。
ニケ ぎえ~、知らなかった! んじゃ、頑張って女性管理職を増やさなくてもいいじゃないですか!
カワイ でも、政府の数値目標がどうであれ、「女だから」って差別されるのは嫌でしょ?
ニケ うん、嫌っ。女であることは変えられないですもん。そっか。そういうのをなくすために、数値目標は必要なんですもんね。えっと……なんだっけ。えっと、あ、ポジティブ・アクション、アファーマティブ・アクション! 前回、教えてもらったんでした!
カワイ はい。そうです。読み過ごしちゃった人はこちら(前回記事・女性管理職は必要ですか? 差別撤廃の歴史をひも解く)を見てくださいね。いずれにしても、本当に女性管理職を増やすメリットを享受したいのであれば、30%はマストです。15%なんて目標ではダメ。そんなんじゃ、「スカートをはいたおじさん」を増やすだけです。
「スカートをはいたおじさん」とは、男性の考え方に同調して男社会の「烏合の衆」と化し、嗜好性も男性と何一つ変わらない女性のことを指します。