健康社会学者の河合薫さんが、読者のリアルな悩みに答える人生相談。第5回は、感情的な女性上司に悩まされている女性が相談者です。さて、前向きな解決法は見つかるでしょうか。
あるあるカイシャ事件簿Vol.5
「感情丸出しの困った女性上司に手を焼いています」
この女性上司はものすごく感情的で、言い方がとにかくひどい。先週、私が業務改善施策として、ある提案をしました。前職で採用していた効果的な施策だったので、「ぜひ取り入れたい」と申し出たのです。
ところが、突然烈火のごとく文句をつけ始め、全力で否定されました。さすがに私もカチンときて、ブチ切れそうになってしまいました。
観察してみると、他の部下たちにも感情的に当たることが多く、もともと他人の意見を聞き入れることができない人なのかもしれないです。
私は年齢的にも若い人たちを育てる立場ですし、ゆくゆくは若手の意見も通る職場に変えていきたいと思っています。
河合さん、どうしたらこんな困った女性上司をうまくコントロールできますか? このままではせっかく転職したのに意味がありません。どうすればよいでしょうか。
ニケ アチャ~、やだなぁ、こういう上司! 私だったらブチ切れて、その場で出て行ってやる!
カワイ どこに出ていくのよ? 家出ならぬ、会社出ね(笑)。
でも、女性の多い職場だとこういう上司って、結構いるんじゃないかしら。私がスッチーの時もいましたよ。感情の固まりみたいな人で、当時私もウブだったから、恐くて恐くて……。
フライトで初めてご一緒したときに、何をしても頭ごなしに否定されるから、「申し訳ございません」って謝ってばかりいたの。そしたら、「アナタね~! 申し訳ございません、申し訳ございませんって! 何度言えば気が済むのよ!」って怒られちゃったの。
で、「申し訳ございません!」って、ついまた謝っちゃて。情けないわよね~。そしたら、「フンっ」って言われて、背筋凍ったわ~。
ニケ (ニヤリ)へ~っ、そんなウブで、カワイー時代がカワイさまにもあったなんて、驚き!
カワイ フンっ……(笑)。それにしても相談者の女性は、「自分の立場への責任感」を痛いほど感じているのでしょうね。偉いですよね。しんどいと思うけど、世の中には、どんなに上司にがっかりさせられても、どんなにダメダメな上司であっても、そのチームの一員として、チームに課せられた役割を達成しなくてはいけないときがありますから。
彼女みたいな人がいないと若い人たちはやっていけないし、それこそいい人材を失うことになってしまいますから。彼女にはそれが分かっているのね。
ニケ でも、大変ですよね~。だいたいそういう困った上司に限って、仕事できないじゃないですか。
カワイ その通りです。でもね、“上司力”の高い人が、ものすごく仕事ができる人かっていうとそうとも限らないのよ。