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「あきらめない」~起業を成功に導く行動パターンとは(2/2)

2016年4月1日

「ウーマンズ・イニシアチブ・フォーラム in Tokyo」リポート

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ニーズへの地道な取り組みが成功に導く

 続いて、「女性の起業、女性の視点」と題したパネルディスカッションが行われた。

 パネリストは、基調講演を行ったモモ・ホァンさん、皮革製品の素材調達から製造までエチオピアで行っているandu amet(アンドゥ アメット)代表の鮫島弘子さん、マッキンゼー・アンド・カンパニー・インコーポレーテッド・ジャパンのディレクターであるポール・マクナーニさん。モデレーターは一橋大学名誉教授の石倉洋子さんが務めた。

andu amet代表の鮫島弘子さん

 鮫島さんは、エチオピアとの出会いについて、「ファストファッションが注目され始めた時期にメーカーのデザイナーをしていて、一生懸命作った製品が短期間で消費され、大量に破棄される現状に疑問を持っていました。その時、アフリカでのデザイナーのボランティア募集があり、誰かの役に立つ物が作れるのではないかと思ったのです」と話した。

 そして、エチオピア産の質の良い皮革が、諸外国に安く買い叩かれている現実を知り、「私のデザインスキルや技術をエチオピアの人に伝え、高品質の製品を作れば、生産者も自分もお客様も幸せになると考えた。そこで、皮の調達から製造まで現地で行うバックのブランドを立ち上げました」と鮫島さん。

会場には、鮫島さんが手がけるエチオピア産バッグの展示コーナーも。多くの参加者が興味深そうにそのデザインや品質を確かめた

 アフリカの最貧国と言われ、インフラの整わないエチオピアにあって、日本で販売できる高品質の製品を作ることが最初の課題だった。この壁を乗り越えると、今度は質の良さやデザインのユニークさから注文が増え、生産が間に合わず、何か月もお客を待たせる事態に。そこで、「一旦、生産を停止して、いちから体制を立て直し、問題を解決しました。今後は、日本以外の国でも製品を販売するチャレンジに取り組みます」。鮫島さんは着々と次なるフェーズを計画していた。

 ボランティア活動が起業のきっかけになったのは、ホァンさんと鮫島さんの共通点である。

 ホァンさんは、「最初はNGOで始め、起業したほうが持続性が高いと考えてビジネスにしました。事業が拡大する中で、資金調達などの問題を抱えたこともあります。しかし、何をするにも目的を明確にすることが大事。多くのコンペに出て、指導や助言をもらい、貴重なコネクションもできました。調査員であるフレンドリー・サーベイヤーの笑顔は素晴らしく、彼らに新しいチャンスを与えることができるからこそ、この事業に価値があると思っています」と話す。

OUR CITY LOVE SOCIAL ENTERPRISE共同創設者モモ・ホァンさん

 鮫島さんも、「当社のバックを大切に使っている、というお客様の言葉が糧になる。支援のために製品を買ってもらうのではなく、お客様に気に入られ、価値を感じてもらうことを重要視して物作りをしています。イノベーションとはひとつのアイデアで完成するものではない。愚直に続けることが大事」と言う。

 ホァンさんと鮫島さんは、雇用の機会を提供している点も共通している。「支援される人たちが自立して仕事をし、納税することによって地域社会に貢献するのが当社のミッション」と鮫島さん。「人はそれぞれ異なる能力を持っている。それを活かして仕事のできる環境を作りたい」とホァンさん。

経営コンサルタント大手、マッキンゼー ディレクターのポール・マクナーニさん

 マクナーニさんは、マッキンゼー・アンド・カンパニーのディレクターの立場から、「彼女たちのように、身近な疑問やモチベーションを事業に展開して成功した人々には、あるパターンがある。それは、一つのニーズに着目し、失敗しても諦めることなく、方法を変えつつ取り組み続けることです」と分析した。

 さらに、「自分の着眼点を大事にして、繰り返しチャレンジすることがイノベーションの正攻法。これは女性の得意とするところです。また、男女のリーダーシップの差を研究すると、共感力があることが成功する女性リーダーの特徴。ひとつのニーズに共感して起業することは、女性に向いています」と、会場に詰めかけた起業を目指す参加者たちにもエールを送った。

モデレータを務めた一橋大学名誉教授・石倉洋子さん

 モデレーターの石倉さんは、「あるニーズを追求したい、という情熱が強い人の周囲には、その思いを共有し、参加したい、協力したいという人が集まってきます。起業を目指す人は多くのコンテストやコンペティションに参加して、自分のやりたいことを語ることが大事。多くの人からアイデアやサポートが得られるはず」と勧めた。

 そして、「起業というと、最初からビジネスを立ち上げなくてはいけないと考えがちだが、ホァンさんや鮫島さんのように、ボランティア活動などから社会のニーズを探す方法もあります。何をやりたいか、なぜやるのか、が重要。どうやるか、はあれこれ試しつつ方法を探せばいい。自分にとってのwhyを見つけることが、起業のきっかけになるでしょう」とディスカッションをまとめた。

 最後に、満員の参加者の中から、起業を目指す主婦、起業後に問題を抱える女性経営者など多くの質問者とパネリストが真剣な質疑応答を交わし合い、熱気を帯びたウーマンズ・イニシアチブ・フォーラム in Tokyoは閉幕した。

文/芦部洋子 構成/加藤京子

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