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「孤独な母の呪縛」を解放するのは、男性の意識改革――川上未映子さん

2015年6月25日

「きみは赤ちゃん」のその後は…? 川上未映子さんインタビュー

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 ミュージシャンとして活動したのち、『わたくし率イン歯ー、または世界』で小説家デビュー。2作目の『乳と卵』(2008年)で第138回芥川賞を受賞し、2011年には同じ芥川賞作家の阿部和重さんと結婚して現在3歳になる息子を持つ作家、川上未映子さん。自身が体験した妊娠・出産について、赤裸々に綴ったウェブの連載コラム(「本の話WEB」)と、「産後編」の書き下ろしを加えた彼女のエッセイ集『きみは赤ちゃん』(文藝春秋)は、働きながら子育てをする女性をはじめ、多くの読者に強い感銘を与えました。

 昨年5月、日本経済新聞社と日経BP社主催で行われたイベント「WOMAN EXPO TOKYO 2014」でも、その波乱万丈な2年間について大いに語ってくださった川上さんですが、あれからちょうど1年たった今、ご家族の近況はどうなっているのでしょうか。お仕事と子育てのバランスは? そして「夫婦の危機」まで至った阿部さんとはその後…? 

 東京・六本木アカデミーヒルズで6月13日に開催された、『エル・ジャポン』主催の第2回「エル・ウーマン・イン・ソサエティ」。そのトークショーに、ミュージシャンのシシド・カフカさんと登壇した川上さんを訪ね、気になる『きみは赤ちゃん』の“その後”について、うかがってきました。

 「幸せになる働きかた」を求める女性はもちろん、そんな女性とともに生きていく男性も必読の内容です!

川上未映子さん

「『母親の呪縛』のようなものを感じながらも、『自分の子育て』を作ってきました」

――現在、お子さんはお幾つになったんでしたっけ。

 「ジャスト3歳で、もうとっくに“赤ちゃん”ではなくなりました(笑)。言葉もだいぶ理解するようになり、こちら側のルールが段々共有できるようになってきましたね。でも、語彙が増えるということは、そのぶんいろいろな疑問が増えていくことのようで。彼の疑問と好奇心に、引きずられている毎日です。“可愛さ”は右肩上がりですが、同じように“しんどさ”も右肩上がりなんですよね。全てが初めてのことだらけというのは、3年前も今も変わらない。そのときそのときの、喜びとしんどさがあるという感じです」

――生まれたての頃に感じていた心配事など、少しは解消されました?

 「それも変わらないですね。生きている限り常にリスクはあるので、『怪我しないだろうか』とか『病気にならないだろうか』とか、そういう緊張感が緩むことはない。親はずっとこうなのかなと思うと、大変な選択をしてしまいましたね(笑)。子育てについて、何が正解かが分かるときなんて、きっと来ないでしょう。慣れてはきていますけど、何歳になってもそのときそのときで『これでいいのかな、どうなのかな』って試行錯誤してやっていくしかないかなと思います。大変ですよね、親って」

――「母親」としてのプレッシャーみたいなものは、今も感じているのでしょうか。

 「例えばオムツを外すタイミングはいつなのかとか、ご飯は何を食べさせたらいいのかとか、そういうことってやっぱり『母親の責任』とされていますよね。なんとなく世間に浸透している『母親の呪縛』みたいなものは、毎日のように感じます。それを自分でほぐしながら、相対化していく作業もずっと変わらない」

――「相対化する」というのは?

 「子育てを自分のものに取り戻すということですよね。『自分だけの子育て』を作っていくことを、この3年間ずっとしてきました。仕事とのバランスは、このところようやく取れるようになってきたかな。言い換えれば、『子供のいる生活』に慣れるためには、3年かかったということでもあると思うんですけど。『これでやっていくしかない』と、ようやく身体で分かってきた感じです」

――昨年の「WOMAN EXPO TOKYO 2014」で、「過去、現在、未来に対する不安や恐怖についてとことん向き合った結果、『母、というか、人間はどこまでも孤独だ』と思い知った」と話していたのは、とても衝撃的でした。一般的に子育ては、「夫婦にとって幸せな共同作業」と刷り込まれているわけですから。

 「確かに、ママタレントのブログとかインタビューとかを読むと『幸せな作業なのかな』って思いますよね。でも、私にとってはとにかく孤独で。特に授乳期などは、孤独すぎてそれが当たり前だったから、普通に当たり前に感じたことを書いただけなのですが(笑)。もちろん、幸せな瞬間もありますよ。同じくらい幸せで、同じくらい孤独。幸せとしんどさのコントラストが、これまで以上にクッキリしてしまう。今までは自分1人だから、なんとなくリカバリーできていましたが…。すごくコントラストの強い世界に生きている3年間でしたね」

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