例年より暖かい秋が過ぎて気温も湿度も下がり本格的なカゼの季節がやってきました。
カゼやインフルエンザを撃退するにはちょっとしたコツがあります。
大切なのは、乾燥から体を守り、細菌やウイルスを入れないこと。その秘策を3回にわたって伝授します。
第2回目は、「水分補給」です。
◆第1回はこちら ⇒ カゼ・インフルエンザかかりやすさチェック
カゼ・インフルエンザの予防に欠かせない意外な対策に水分補給がある。
低温・低湿になると、ウイルスが活発に活動して空気中に拡散しやすいという「ウイルス側の条件」が良くなる。同時に体の防御機能も低下して、「ヒト側の条件」は悪くなってしまう。これが冬に感染が起こりやすくなる理由だ。
市立伊勢総合病院の間島雄一院長は「湿度が低い環境では、体の防御機能の一つである『粘液線毛輸送機能』が低下する」と解説する。
粘液線毛輸送機能とは、鼻や気管・気管支など、気道の粘膜にある、吸いこんだ空気中の細菌やウイルスなどの異物を排除する働き。鼻腔(びくう)などを覆う線毛と、線毛の周りにある「線毛間液」、その上を覆う「外層粘液」の働きよって、鼻腔や気管、気管支に入りこんだ異物はのどに向かって運搬され、最終的に食道に排出されて処理される。つまり、粘液線毛輸送機能は、息を吸ったときに体内に侵入する外界の異物から身を守るための最前線というわけだ。
しかし、「乾燥した環境では、水分が奪われて線毛間液が少なくなったり、外層粘液の粘度が上がったりするために、大切な防御機能である粘液線毛輸送機能が低下してしまう」と間島院長。
実際、先天的に粘液線毛輸送機能に障害がある患者は、子供の頃からカゼを引きやすく、気道の慢性的な炎症を起こすことがわかっている。
こうした乾燥から身を守るためにも欠かせないのが、体の内と外からの水分補給だ。
冬は夏より、体から水分が蒸発しやすい!
日本の冬の外気の湿度は50%程度と、夏の70%超に比べてかなり低下する。しかも、外気温が低いときに、室内を暖房で温めると、空気が膨張して増える一方、そこに含まれる水蒸気の量は変わらないために相対湿度は低下する。例えば、気温が10℃、相対湿度が100%の空気を25℃まで温めると相対湿度は41%に落ちてしまう。「冬型の気圧配置により、空気が乾燥しやすいことに加え、屋外の気温が低いので、暖房中の室内は、屋外よりもはるかに強い乾燥状態になりやすい」(間島院長)。
このような状態では、皮膚や呼気から知らず知らずのうちに水分が失われる「不感蒸泄(ふかんじょうせつ)」が多くなる。実際に2年間にわたり睡眠時の不感蒸泄を測定した研究では、夏に比べて冬の不感蒸泄が約20%増えていた(下グラフ)。
放っておけば体の中も“カラカラ”な状態になってしまう。

(データ:小野スポーツ科学;113-124,vol3,1995)





