眠ると美人になる理由

2010年7月28日

ホルモンが分泌され美肌・ダイエット効果も

 白川室長は「望ましい睡眠時間は7時間から8時間」という。大切なのは、深い眠り(ノンレム睡眠)に入ること。肌のターンオーバーを促進する成長ホルモンは、このノンレム睡眠時に最大に分泌されるからだ。

 睡眠時には成長ホルモンのほかにも、コルチゾール、メラトニン、プロラクチン、副腎皮質刺激ホルモン、甲状腺刺激ホルモンなど、多くのホルモンが分泌される。体のリズムを整えて免疫力を高めたり、ストレスを和らげる働きを持つ、心身の“キレイ”を支えてくれるホルモンばかり。成長ホルモンとコルチゾールは脂肪をエネルギーに変える働きを持つので、ダイエットに効果的。しっかり分泌させよう。

眠らないと成長ホルモンが効率的に分泌されない
上は睡眠時、下は断眠時の血中の成長ホルモン濃度。1日に分泌される成長ホルモンの総量は同じだが、成長ホルモンは一定量を超えないと効果を発揮しない。断眠時は一定量に達しないため、効率が悪い。(データ:Brandenberger,2000)

脳の休息で内面美人に

 睡眠不足の影響をダイレクトに受けるのが「脳」。「うつ病の場合、睡眠障害を改善するだけで治ることが多い。眠ると脳が休まるので心も休まり、情緒が安定する」と西多医師。きっちり眠れば、少しのことではイライラしない内面美人に近づく。

 また、睡眠は記憶のメカニズムに密接な関係がある。「記憶は眠っている間に取捨選択されて脳に定着する」(西多医師)。脳は眠りが浅いレム睡眠時に日中の出来事を整理するといわれている。そして、眠りが深いノンレム睡眠時には記憶を増強する。スポーツや楽器演奏といった、無意識的に覚えるような運動記憶も増強してくれるという。深く眠れば、知性も磨かれる!

Profile
白川修一郎室長
白川修一郎室長
日本睡眠改善協議会常務理事
専門は睡眠科学、脳生理学。「週末はだらだら眠らないこと。1時間早く寝て1時間遅く起きる程度で睡眠不足を調整するのがいい」。

西多昌規医師
西多昌規医師
東京医科歯科大学大学院・精神行動医科学分野・講師
睡眠医療認定医

専門は精神生理学、睡眠科学。「15分程度の昼寝は脳が休息でき、仕事の効率も上げるので有効。夜の睡眠も妨げません」。

構成/編集部  取材・文/岩田るみ、斉藤育世(エディターズ・キャンプ)、羽田 光(編集部)

日経ヘルス 2008年9月号掲載記事を転載
この記事は雑誌記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります

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