• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

食事は「腹8分目がいい」は本当?

2013年7月5日

腹8分目、カロリー制限で長寿遺伝子がONに

このエントリーをはてなブックマークに追加
Facebookでシェア

カロリーを抑えて体脂肪を減らすことは
究極のアンチエイジング法

 この連載を読んでくださっている皆さんなら、きっと一度はダイエットにチャレンジしたことがあるでしょう。カロリーを抑えて肥満を防ぐことは、見た目にスリムできれいになるだけでなく、アンチエイジング医学の立場からも大いに勧められます。生活習慣病を防ぎ、健康で長生きすることが確かめられているからです。

摂取カロリーを70%程度に抑える「カロリーリストリクション(カロリス)」は康長寿に有効であることが報告されている

 2009年に、米国ウィスコンシン大学のウェインドルック博士らが20年にわたってアカゲザルを比較した研究を発表。食事制限なしのサルよりも摂取カロリーを3割程度制限したサルは病気の発症率も死亡率も低く、見た目も若々しい状態を維持していたという研究成果は世界中で反響を呼びました。

 ほかにもさまざまな動物実験により、栄養バランスは保ちながら摂取カロリーだけを70%程度に抑える「カロリーリストリクション」(=カロリス)が健康長寿に有効であることが報告されています。

カロリスで長寿遺伝子の発現をコントロール
細胞の大掃除システムも活性化

 僕たちの体は、親から受け継いだ約60兆個もの細胞からできていて、その一つひとつに膨大な遺伝情報が書き込まれています。親の体質に似るのは、その遺伝情報の影響ですが、だからといって親が太っていたら自分も太る運命なのかというと、そんなことはありません。遺伝子の状態やはたらきは、環境によって変わり、遺伝子のスイッチがONになったりOFFになったりすることがわかってきました。これは、ほとんど同じ遺伝情報を持つ一卵性双生児でも環境の違いで健康状態が大きくことなってくることから確認されたことです。つまり、「食事」「運動」「ごきげん(心)」によって遺伝子のスイッチをコントロールすることも可能と考えられます。

 カロリスはその方法の一つといえます。カロリー制限により、老化や寿命にかかわる長寿遺伝子(サーチュイン)のスイッチがONになることも報告されているのです。ただし、日本人の一般的な食事は、欧米よりもカロリーが低いことや、若い女性の多くは普段からダイエット意識が高く、低カロリーの傾向ですので、さらに70%では危険な場合もあります。日本のことわざにあるように、日頃から腹八分を心がける、満腹になるまで食べ過ぎない、高カロリーの食品に少し注意する、という意識で十分でしょう。

 また、細胞の大掃除システム「オートファジー」のスイッチもONになり、細胞内をスッキリきれいにします。「オート(=自分自身を)ファジー(=食べる)」とは、代謝の過程で細胞内に生じる不要なものを分解処理するしくみ。このしくみを活性化することも細胞の若さと健康を維持するポイントの一つといえますが、一定の時間、空腹をしっかり感じることで、体が飢餓状態と判断して、サーチュインが目覚め、オートファジーのような防御システムが働きだすと考えられています。

 だから、食べ過ぎが続いたり、だらだらと食べ続けたりするのはよくありません。僕は1週間で21回の食事のうち3食を抜いています。食べ過ぎたなと思ったら1食抜きにして、次の食事までの時間を開けて、オートファジーを活性化して細胞をきれいにしてあげようというわけです。

この記事をSNSにシェアする

このエントリーをはてなブックマークに追加
Facebookでシェア

Facebookコメント

※Facebookのコメント機能は、Facebookのソーシャルプラグイン機能を用いて実現してい ます。本機能、およびコメントの内容について、日経ウーマンオンラインは一切の責任を負い ません(日経ウーマンオンラインからのコメントを除く)。また、コメントを非表示にしたり、機能を停止することがあります。

Profile
坪田 一男
坪田 一男(つぼた かずお)
慶應義塾大学医学部教授・慶應義塾大学SFC研究所ヘルスサイエンスラボ代表。1955年東京生まれ。慶應義塾大学医学部卒業。ハーバード大学留学、クリニカルフェロー修了。2000年より最先端のアンチエイジング医学を学び、医療界に積極的に導入。現在、日本抗加齢医学会理事長、日本再生医療学会理事、学会誌「アンチエイジング医学」の編集長、慶應義塾大学SFC研究所ヘルスサイエンスラボ代表などを務める。南青山アイクリニック手術顧問を務め、眼科専門医による安全なレーシック(近視手術)の提供・指導も行う。『ごきげんな人は10年長生きできる』(文藝春秋)など著書多数。http://www.tsubota.ne.jp/
関連キーワードから記事を探す
健康知識健康レシピ・食材

Topics

PAGE TOP

ログインしていません。

  • ログイン
  • 無料会員登録

Focus

最新刊のご案内

  • 仕事を楽しむ 暮らしを楽しむ
    日経ウーマン 3月号

    日経ウーマン3月号は「“1日100円投資”でマネー開運!入門」を大特集。日々のお金の使い方を見直し、余ったお金を「コツコツ投資」に回してお金を増やす方法を、マンガでわかりやすく紹介。さらに特別保存版「個人型確定拠出年金 始め方ガイド」で、年金がふやせる大注目のお得な制度を解説します。

  • もっと健康に、もっと美しく
    日経ヘルス 3月号

    今号の特集は「女性の不調は血流&リンパが9割!」。むくみ、冷え、肩こり、だるさ、月経痛、くすみ…辛い不調を解消する方法を大特集。さらに、「免疫力アップ !アレルギー改善の新法則」もご紹介。

  • 働くママ&パパに役立つウェブマガジン
    日経DUAL 1月号

    「日経DUAL」1月号は「パパ四天王の凄い両立テク」と「私たちが働く理由」の2本の大型特集のほかに、【妊娠・復帰】【保育園】【小学低学年】【小学高学年】と、子どもの年齢を4つに分類し、それぞれの年齢で今知りたいノウハウをお届します。「子どものしつけは“動物の調教”ではない 」「生稲晃子 乳がんで5回手術、公表せず仕事続ける」「難関中学の入試ってどんな問題が出るの?」など注目の記事も満載です。

働く女性 必読の書

おすすめ本日経ウーマンの本日経ヘルス&プルミエの本

もっと見る

キャリア&スキル
就職・転職
働き方
副業
お仕事術
コミュニケーション術
資格・語学
マネー
PC・スマホ
教養・マナー
ウーマン・オブ・ザ・イヤー
ヘルス&ビューティ
ダイエット
カラダの悩み・病気
メンタルヘルス
健康レシピ・食材
メイクアップ
スキンケア
健康知識
ライフ
恋愛・結婚
人間関係の悩み
お買い物・節約術
整理・収納
ファッション
グルメ
エンタメ
旅行・お出かけ
暮らし方

日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。

PC版 | モバイル版