ブームに流される生き方は
年を取ってからつらくなる?

サチエ 反応的な人は、他人の言動に振り回されやすいんですよね。

博士 そうなんです。反応的で流されやすい人は、今の時代、気をつけないと「時代の流行に振り回される人生」を送ってしまうかもしれません。

マキ え? それってどういうことですか?

博士 昔はね、「何歳までには結婚しなさい、何歳までには子どもを持ちなさい」など世間一般が常識だとする価値観があり、それに従っていれば、比較的、普通の人生を送れたものなんです。

 ところが、この数十年の間に「自分の価値観に従って生きましょう。ただしその責任は自分で取りましょう」というふうに変わってしまった。けれど、どうやって生きると幸せな人生を送れるのかということを、誰かが教えてくれるわけではない。テレビは視聴率を優先し、ウェブではページビュー(PV)を稼げるようなキャッチーな情報ばかり流されている。

 これが何を意味しているかと言うと、見ている人にウケが良い番組やサイトだけが生き残り、人気のあるテレビやウェブは、感情を刺激し、人々を喜ばせるものがほとんどになるということです。さらに言えば、テレビもウェブもスポンサーに媚びています。テレビもウェブも、運営者自身のメリットのために行動しているだけで、決してあなたの人生のことなど考えていません。もし考えているとしても、二の次でしょう。

 だから、自分で深く考えて、自分の人生をきちんとかじ取りしていくような主体的な生き方をしないと、感情を振り回すだけの情報に左右される人生になってしまう恐れがあるわけです。

サチエ 感情を振り回すだけの情報って、たとえばどういうものですか?

博士 沢山ありますね。テレビやウェブはそんな情報でいっぱいですからね。たとえば、「キラキラ輝いて女子力をアップしよう!」「このままだと、無縁社会の中、孤独死してしまいますよ?」「いつまでも女性として美しくいましょう」「退屈な大人になんてなりたくない」など、感情をプラスやマイナスに動かす情報は全て注意すべきです。

サチエ でも、役に立つ情報もありますよね?

博士 もちろん、役に立つ情報は多いと思います。でも、その情報を、本人が理性によって主体的に選ぶ必要があるんです。逆に、その情報により感情が動かされ、その感情が人生の方向を決めるというのが危険だと僕は思うんです。

マサコ 主体的で長期的な視野で生きている人と、反応的で短期的な視野で生きている人。自分がどちらのタイプか見分ける方法ってありますか?

博士 この5年間に、自分がどのような選択をしたかを振り返ってみるといいでしょう。例えば転職にあたって、「理不尽でつらいことが続き、その辛さから、会社を辞めちゃった。転職先を探したのはそのあと」という行動をしていたなら、反応的な生き方と言えるでしょう。「職場に不満があるけれど、とりあえずそこで身に付けられるものは身に付け、そのスキルを武器に次の会社を探して転職」という行動をしたなら、主体的で長期的な視野の人といえるでしょう。また、「よく分からないけれど、不安だし、行き詰っちゃったから結婚を考えている」というのも、反応的な人の発想だと思います。