2000年以上の歴史を持つ鍼灸は、体のバランスを整えて機能回復を図る、東洋医学の治療法の一つです。
今回は、鍼灸師の沢井章子(あきこ)さんにお話を伺いました。
目の前の患者さんと、真剣に向き合う
沢井 章子 さん

●2008年9月、奈良県で女性と子ども限定の“さわい鍼灸院”を開業。鍼灸師歴12年。34歳。
●休日はお昼寝が至福のとき。愛犬との時間も毎日の疲れを癒してくれます。趣味の手作り石けんは、家族にも好評。
沢井章子さんは、20〜40代の女性を中心に、小児鍼で来院する赤ちゃんからお年寄りまで、幅広い年代に施術しています。まず、症状を詳しく記載してもらった予診表をもとに問診。その後、リラックスできる仰向けの姿勢になってもらい、東洋医学的見地から、舌診、脈診、腹診を行い、鍼灸治療に入ります。鍼灸で使用する鍼は髪の毛くらいの細さなので、痛みはほとんどありません。例えば肩こりの場合、肩だけでなく、手足、腹部、頭部など、症状や状態に合ったツボに鍼を打っていきます。また、直接灸、間接灸、棒灸、灸頭鍼と、症状に合わせてさまざまな種類の灸を使い分け、気血の巡りを良くしていきます。

一人ひとりの患者さんを丁寧に診るため治療は予約制で、施術時間は大人で約1時間ほど。とても気持ちが良いので、途中で眠ってしまう方も多いとか。施術以外の経理・受付・サイト運営などは、妹が担当しています。「大事なのは、目の前の患者さん一人ひとりを真剣に治療することです。そうするうちに、治療後は家族や知人に紹介してくださり、自然と患者さんも増えてきました」
母の姿を通して鍼灸の可能性に触れ、この道を志望
沢井さんが鍼灸師を目指したのは、お母さんが長年悩まされていた不定愁訴と更年期障害を、鍼灸で克服されたのがきっかけでした。当初、病院での検査は異常なく、決定打となる治療も見つからない日々そんな時出合った鍼灸で、ようやく体が軽くなり、表情まで明るくなっていったそう。「私も苦しんでいる人を治したい」と、鍼灸師になるために明治鍼灸大学(現・明治国際医療大学)に入学。在学中に「はり師・きゆう師」の国家資格を取得し、卒業後は漢方薬にも造詣の深い女性院長の元で9年間修練を積みました。2006年3月には、高齢化社会で役立つのではと思い、ケアマネジャーの資格も取得しました。
独立開業に際しては、「女性と子どものための鍼灸院」と限定することに正直悩んだという沢井さん。でも、女性による女性のための鍼灸院はまだ少なかったこともあり、自分自身が行きたいと思うような鍼灸院を目指してスタートすることに。また、子どもの夜泣きや疳虫に小児鍼(刺さずに撫でこする)が有効なことも認知度が低いため、院名の前に“子どものための”を掲げてアピール。「毎晩30分おきに夜泣きをしていた赤ちゃんの症状が鍼でだんだん治まったケースでは、寝不足で心身ともに疲れ切っていたお母さんも元気を取り戻していきました」




