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かわいいイルカ、獲っていいですか

2010年8月4日

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 唐突ですが、イルカは好きですか?

 身の回りで10人に聞いてみたら、10人とも「好き」と答えました。これが100人なら、1人や2人、好きじゃない人がいるかもしれませんが、イルカが大人気の生き物であることは間違いないでしょう。だって、かわいいもんね!

 実際に日本に住んでいますと、どの地域にも水族館があって、イルカと触れ合うことができます。また、海で野生のイルカと泳ぐ、いわゆるドルフィン・スイムを楽しめる場所だってあります。わたしたちは、イルカの魅力を国民としてとてもよく知っているのではないでしょうか。

海が赤く染まるイルカ漁を見て、どう思う?

 でも、今、イルカというと「かわいい!」だけじゃすまないんですよね。昨年のアカデミー賞ノンフィクション部門を受賞した映画「The Cove」の影響が大きいと思うのですが、日本が実は「イルカ漁大国」であることは、広く知られるようになったのではないでしょうか。ぼくの知人でも、映画を観てショックを受けたり、逆に一方的な批判はけしからん!と怒っている人がいたり……。

 ぼくも映画を観ました。狭い湾内に追い込まれ、海が赤く染まるほどイルカたちが血を流しつつ捕獲される映像は確かにショッキングなのですが、ぼくはショックを受けませんでした。元々、知っていましたから。

 反面、最初から結論ありきのように見える編集方針に疑問を抱きつつも、けしからん!とも思いませんでした。ぼくは日本のイルカ漁のことを10年以上前に本に書いたりしているのですが(『イルカとぼくらの微妙な関係』<時事通信社>、『クジラを捕って、考えた』<徳間書店>)、地味な書籍の中で、この問題について考え、述べても、伝わったのはほんの一部の人たちのみ。「The Cove」がなし崩しに周知してくれてしまったことは、ちょっとばかり、やりすぎだよと思いつつ、歓迎している部分もあります。

 だって、みんなイルカ大好きなんだもの。同じ国でイルカ漁が行われていることくらい知っておかないとね。

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川端 裕人
川端 裕人(かわばた・ひろと)
ノンフィクション作家・小説家。1964年生まれ。日本テレビ記者を経て、1995年にノンフィクション作家としてデビュー。著書に『イルカとぼくらの微妙な関係』(時事通信社)、『クジラを捕って、考えた』(徳間書店)、『ペンギン大好き!』(新潮社)などのノンフィクション作品、『算数宇宙の冒険』(実業之日本社)、『(1)嵐の中の動物園三日月小学校理科部物語』(角川つばさ文庫)などのフィクション作品がある。
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