
「“あげる→もらう”の関係では長続きしないと思うんです。目指すのは、“寄付”ではなく、“投資”で途上国にお金が回る仕組みを作ること」――そう話すのは、昨年、日本初のマイクロファイナンス投資ファンドを立ち上げた、ミュージックセキュリティーズ証券化事業部の杉山章子さん(33歳)。
「マイクロファイナンス」とは、貧困者向けに小口でお金を融資する仕組みのこと。06年には、バングラデシュにあるマイクロファイナンス機関「グラミン銀行」がノーベル平和賞を受賞し、話題にもなった。
杉山さんたちが展開する「マイクロファイナンス貧困削減投資ファンド」では、まず1口3万円で日本国内から出資者を募る。次に集まった資金を円からドルに換え、途上国のマイクロファイナンス機関へ届ける。マイクロファイナンス機関では、融資希望者の審査を行い、少額からお金を貸し付ける…という流れ。既にカンボジアを対象としたファンドの第一弾、第二弾が運用中で、合計約4000万円が集まった。
「今年だけで900人に融資される予定です。ほとんどの融資は期間が1年なので、3年後には、延べでその3倍(2700人)の人に使われるようになる計算です」
貸し付けの最小単位は25ドルからと超小口。そのお金が、農業肥料や資材、家畜の購入資金になったり、店舗や工房の設備費になったり…。様々な形で現地の人たちの事業と生活の支えになっている。
“海外援助”と言えば、ODA(政府開発援助)などの税金や寄付を介してのものが一般的だが、“投資”という仕組みが目新しい。寄付とは異なり、事業がうまくいき投資した資金が戻れば、新しい事業に再投資することで継続的に支援できるのが最大の特徴だ。




