薬局で手ごろな価格で手に入り、風邪予防から家の掃除まで、さまざまな生活シーンで大活躍してくれる「はっか油」。和種ミントの香りが爽やかな、はっか油の効用と暮らし上手のヒントが詰まった簡単レシピを3回に渡り、橋口玲子医師と愛用歴20年の前田京子さんに教えてもらいましょう。

第1回『「はっか油」で忙しい年末を健康生活で乗り切ろう』
第2回『ハウスキーピング、大掃除にお役立ちのはっか油の使い方』
第3回『年末年始を健やかに過ごせる「はっか油」は必需品!』

簡単に手作りできて、暮らしがもっと豊かに、快適になる活用術を公開!

 スーッとした清涼感のある、強い香りが魅力のミント。古代ギリシャの時代から、薬効のあるハーブとして、暮らしの中で活用されてきた。ペパーミント、スペアミントなど多くの種類があるが、中でも和種のミントは日本では薄荷(はっか)と呼ばれ、薬効に優れた香り成分、メントールを多く含むため、食用ではなく精油をとるために重宝されてきた。

 「メントールには抗菌・抗ウイルス効果があり、カゼ予防のほか、家のカビ・ダニ防止にも役に立つ」と話すのは、アロマやハーブ療法に詳しい緑蔭診療所の橋口玲子医師。湿布に使われる成分としてもおなじみで、「神経を刺激して冷たいと感じさせる(冷却作用)一方で、末梢血管を広げて血行促進する。また消炎鎮痛作用もあるので、のどや鼻の粘膜の炎症にも効果がある」(橋口医師)。このほか、胃腸の働きを整えたり、気分をリフレッシュする効果もある。

 日本薬局方(=医薬品と認められたもの)のはっか油はごく少量なら口に入れても問題はないが、原則は外用のため容量を守ることが大切。「精油の原液は刺激が強いので、皮膚に使うときも直接塗るのは避け、キャリアオイルなどで2%以下に薄めて使ってほしい」と橋口医師。

<b>【はっか】</b><br> シソ科はっか属の多年草の和名で、英名はミント。世界中で栽培されるハーブで品種が多い。医薬品として認められた「日本薬局方」のはっか油は、和種のはっかを水蒸気蒸留して得られる精油を冷却し、固形のメントール結晶を取り除いて精製したもの。
【はっか】
シソ科はっか属の多年草の和名で、英名はミント。世界中で栽培されるハーブで品種が多い。医薬品として認められた「日本薬局方」のはっか油は、和種のはっかを水蒸気蒸留して得られる精油を冷却し、固形のメントール結晶を取り除いて精製したもの。