進化し続ける歯列矯正の方法とは?

 歯列矯正の方法として最もよく知られているのが、従来型の「ワイヤー矯正」。歯の表側にブラケットと呼ばれる装置を取り付けて歯並びを整えていくものだ。装置には、金属製のものの他、セラミックス製、ジルコニア製、プラスチック製など、より審美性の高いものもある。また、歯の裏側にブラケットを装着して矯正する方法もある。

 一方、「マウスピース矯正」は、ワイヤーやブラケットを一切使わず、マウスピース型の矯正装置(アライナー)を歯に被せて矯正する。アライナーは透明に近い医療用プラスチック製のため、矯正しているのが周囲に気づかれにくく、装着時の違和感や不快感も少ない。さらに、自分で簡単に着脱できるため、治療中も普段通りの食事が楽しめ、歯みがきも楽にできる。

金属ブラケット
金属ブラケット
歯の表側につける装置(ブラケット)が金属製のもの。丈夫で費用も抑えられるメリットがある。また金属の他にも、セラミック製やジルコニア製、プラスチック製など見た目にめだたない審美ブラケットもある
リンガルブラケット
リンガルブラケット
歯の表側ではなく裏側に装着する。それにより周囲の人に矯正していることを気づかれないメリットがある
マウスピース
マウスピース
ワイヤーやブラケットを一切使わない、マウスピース型の矯正装置。これをつけることで歯を移動させて矯正する。ほぼ透明なので、周囲の人に気づかれにくい上に、装着時の違和感や不快感が少ない傾向にある

 ちなみに、治療期間は、矯正歯科医の治療方針や治療計画等によって異なるが、ワイヤー矯正もマウスピース矯正もほぼ変わりはなく、平均2年ぐらいだという。

「マウスピース矯正」が選ばれる理由

 場所柄もあるが、伊藤さんの病院には、自立した働く女性が数多く訪れる。そして今や、そのほとんどが、マウスピース矯正を選択しているという。

 「マウスピース矯正は、マウスピースを1~2週間ごとに自宅で自分で交換しなければならないので自己管理が必要ですが、その分、通院は数か月ごとで大丈夫ですし、治療中のトラブルも少ないので、仕事が忙しい方にこそ最適だと思います」

 また、通院した際に、矯正の進行度合いを患者自身が自分の目で確認できるのも、マウスピース矯正の利点だという。

 「マウスピース矯正では、最新のコンピューター機器を使用し、治療開始から完了に至るまで、歯の移動の様子を画像や動画で3次元的に確認しながら進めていけるものもあります。患者さんは、今自分がどういう状態なのかがわかり、治療に対し、より安心感を持てると思います」

 そして何より、目立ちにくく取り扱いやすい点は、女性にとっては大きなメリットだ。

 「よく見なければ、付けていることはわかりません。ちょうど、コンタクトレンズのような印象ですね。また、食事時はもちろん、人前に出る時やここぞという場面では外すこともできるので、日常生活の中でストレスを感じることも少ないと思います」

 「マウスピース矯正」は、まだ比較的新しい矯正治療法であるため、現状、採用している歯科医院は限られているが、今後確実に広まっていき、歯列矯正を始める人も増えていくだろうと伊藤さんは話す。「歯並びがキレイになることによって得られるものはとても大きいと思います。この画期的なマウスピース矯正を、ぜひとも多くの働く女性に知ってもらいたいですね」

協力/アライン・テクノロジー・ジャパン
http://www.invisalign.co.jp/