妊活を職場でサポートする取り組みとは

 さて、思い切って一歩を踏み出し、実際に不妊治療を受けた女性は、治療に何を望むのか。今回の調査結果では1位「効果が高い(86.0%)」、2位「安全性が高い(73.6%)」、3位「治療費が安く済む(65.3%)」で、2高1低という結果になった。

不妊治療を受けたことのある女性に、どのような不妊治療を望むかを聞いたところ、「高効果・高安全・低価格」が上位に
不妊治療を受けたことのある女性に、どのような不妊治療を望むかを聞いたところ、「高効果・高安全・低価格」が上位に

 3位の「治療費」については、各自治体に特定不妊治療費助成制度があり、一定の要件を満たせば体外受精などにかかる医療費について助成を受けることができる。各都道府県には不妊専門相談センターも開設されているので、相談や情報収集のために活用するのもよいだろう。

 また企業でも、社員の不妊治療費の助成を制度化しているところが、まだ少ないながらもある(先の厚生労働省の調査では377社中、15社)。

 例えば、今回の調査を行ったメルクセローノ株式会社には「Yellow Sphere Project」という妊活サポートプログラムがあり、高度不妊治療費の補助に加え、不妊治療のための有給休暇の付与、教育セミナーなどが実施されている。妊活する人や赤ちゃんが欲しいと望むカップルの夢の実現をサポートする企業として、単に社員をサポートするだけでなく、啓発活動を通じて仕事と育児が両立できるファミリー・フレンドリーな社会環境の整備に貢献したいとの思いも込められている。

 同社にはコアタイムや働く場所に制限のないフレキシブルワーク制度もあり、社員一人ひとりのライフプランに合わせた働き方も応援している。妊活や不妊治療をする人にとっては、経済的なサポートだけでなく、職場に妊活や不妊治療に対して理解があることも、精神的な支えになることだろう。

 こうした取り組みが、少しずつでも他の企業に広がっていけば、ライフプランを気兼ねなく語り合える社会の実現にも近づいていくかもしれない。

 その一方で、「いつまでに子どもを産みたいのか」など早めにライフプランを考えることも大切だ。まずは、妊娠や不妊治療について正しい知識を身につけることから始めてみてはどうだろうか。

協力/メルクセローノ株式会社