Q6 日本で流行しますか? 水際作戦で日本での流行を防げますか?

 感染すれば必ず発症する病気であれば、感染の疑いがある人を早く見つけ、隔離することによって感染拡大を防ぐことができるため、水際作戦は有効です。しかしジカウイルス感染症は80%の方が無症状であることから、水際で防ぐことは不可能でしょう。

 流行地域から日本に来た人の血液の中にウイルスが存在する来日後数日から1週間の間にヒトスジシマカに刺され、その蚊が別の人を5人刺すことで、新たに1人の人が感染する計算になります。ヒトスジシマカが活動する時期は5月中旬から10月下旬であることを考えると大規模な流行の可能性は低いでしょう。

Q7 国はどのような対応をしていますか?

 ジカウイルス感染症は蚊が媒介する疾患のため、2016年2月5日に感染症法の4類に指定されることが閣議決定され、2月15日に施行されます。これに先行して厚生労働省は1月21日に「ジカ熱に関する情報提供及び協力依頼」をリリースしました。流行地域への渡航歴と症状からジカウイルス感染症が疑われる場合には、最寄りの保健所に情報を提供することになっています。現在、国立感染症研究所を初め10カ所での検査体制が確立されていますが、今後拡大予定になっています。

 一方、小頭症が日本国内でどのくらい発症しているのかというデータはとられていません。ジカウイルス流行地域から日本に来た妊婦は、お腹の中の赤ちゃんが小頭症を起こしていないかどうか、定期的な妊婦健診による腹部超音波検査が推奨されています。渡航歴がある妊婦さんは必ず医療機関に伝える必要があります。今後、日本において小頭症が増えていないかどうかの調査が求められています。

4類感染症
診断した医師が患者が発生するたびに、ただちに該当保健所に届出をする必要のある感染症。4類にはE型肝炎、ウエストナイル熱、A型肝炎、エキノコックス症、黄熱などがある。