デジタル全盛だからこそ、人とではなく自分とつながる

 今はいつでもどこでも繋がっているような時代です。ブログやSNSの「公開」ボタンを押すだけで、誰でも気軽に考えを発信できる時代です。発信する敷居は低くなりましたし、一人きりで過ごす休日や寂しい夜など、直接人と会うことがなくても触れ合いを感じることができるのは素晴らしいことですが、このような時代においては、「いかに繋がるか」より「いかに繋がらないか」を考えることが大事になってきたような気がしています。

 なぜなら、溢れる情報が多すぎるため自分で考える機会がどんどん奪われてしまうからです。社会的ニュースになった事件や出来事について、ネットで見た意見や評論家の考えに惑わされずに、自分自身の頭で考えることがなかなかできない世の中になっているのです。

 考える内容が明確になっていないまま多くの情報を摂取してしまうと、周囲の意見に流され、それが自分の考えなのかそうでないのかが分からなくなってしまいます。そうなると、自分の「キーワード」を検索窓に入れることすら難しくなってきてしまうのです。

 アナログ手帳で自分と向き合う時間を大事にすることで得られるメリットは、一定の時間「ひとり」になれることです。周囲が何を思うか、他の人が何をやっているか、などということは脇においておき、ひとりで自分のありのままの気持ちと向き合う時間を定期的に取りつつ、予定を考えることができるようになります。自分の熱いところ、冷めているところ、身の丈のほどや足りないところ、良いところ、今後の展望などをゆっくりと考えられる時間を作れる手帳との時間をぜひ作っていきましょう。

 では、このような時間は具体的にどうやって作っていけば良いのでしょう。前回は「やらないことを決める」ことが大切だという話をしましたが、今回は、やるべきこととやらないこと、覚えておく必要があることとそうでないものを分類して、じっくり考える時間をつくるために、アナログ手帳で優先順位を整理する工夫を2つお伝えします。