ナンパスポットで結果が出ないなら、相席屋にチャレンジ!

 そんな反省を生かし、次の一手に選んだのは「相席屋」。店に居合わせている男性グループと女性グループを店側がマッチングさせ、相席させるというものだ。これなら否応なく男性と出会い、腰を据えて会話ができる。

 ちなみに女性は無料、男性は時間が経過するにつれて料金が加算されていくというシステム。1年半ほど前から都内を中心に続々と増殖し続けている人気店だ。

 4人が都内某所の相席屋を訪れたのは、平日の21時頃。店員に年齢(28歳2人+35歳2人)を伝えると、できるだけ年が近いグループとのマッチングを考慮してくれるのだと言う。

 通常は2人組同士の相席というパターンが多いようだが、この日はたまたま男性3人グループが居合わせており、男性3人+女性4人で相席することになった。

都内某所の相席屋にて。
都内某所の相席屋にて。

 相席した男性グループは、都内の某大手IT企業に勤める同僚メンバー。最年長は、えなりかずき風の温和な雰囲気を醸す45歳既婚者。シャツの胸元を大きく開けた羽賀研二似の42歳と、週末はお笑い芸人養成所に通うという五郎丸歩似の33歳は独身なのだそう。

 テーブルについたときの印象としては正直、男女ともに誰一人としてピンとくるものを感じていなかった。ただ、同席してしまったからには引き下がるわけにもいかず、なんとなく自己紹介をし合ってしばらく世間話を続ける。

 イメージとしては、幹事のいない即席合コンと言えばいいだろうか。共通の知人や前情報が一切ない状況で合コンが始まるのだ。

 盛り上がりに欠けるスタートではあったが、お酒を飲みながら話すうち、徐々に場の空気は温まってきた。中盤では、五郎丸似による「忘年会でウケるための一発芸指南」が飛び出すなど和気あいあいとした雰囲気に。途中、店側からはシャンパンの売り込みが入り、えなりかずき似の奢りで約1万円のものがオーダーされた。

 「ここは、天然のキャバクラみたいな場所なんだよね」と羽賀研二似。なるほど、と思いながら「キャバ嬢みたいに気が利いた飲み方はできないんですけどね」と返すと、「それがいいんだよ。プロの仕事は求めていない。仕事じゃなくプライベートで一緒に飲んで仲良くなるっていうことに価値があるんだよ」とのこと。

 女性側としても、一切の料金がかからないばかりか、男性の気分次第でより上質なお酒が飲めるということもあり、無意識のうちにサービス精神が発揮されている節もあるようだ。

 男性3人が相席屋を訪れるのは、今回で2度目。前回は相席した女性たちを連れ出し、二次会としてカラオケに行ったのだと言う。

 「この後の予定は? カラオケとかどう?」の問いになんとなく気乗りせず濁しているうち、通路側に座っている五郎丸似と羽賀研二似の視線が他のテーブルに向き始めた。帰国子女で英語が堪能なこの2人、暗号のような英語で会話をしつつ、どうやら他テーブルの女性を物色しているようだ。

 店内でのナンパ行為は控えるルールだが、他テーブルにも目を光らせて隙あらば声をかけようとする男女は少なくない様子。店内での「チェンジ」や「指名」こそできないものの、店を出てから落ち合うことは可能だからだ。トイレに立ったはずの五郎丸似が別グループの女子たちをナンパする現場を、4人はしっかりと目撃していた。

 途中、そんな不穏な空気が漂いながらも結局、2時間半ほど一緒に飲んだ末、二次会には行かず、えなりかずき似と名刺交換をして解散することにした。支払いは男性持ちなので詳細は不明だが、おそらく3~4万円ほどの出費だと思われる。



 ナンパスポット行脚に続き、今回の相席屋でも「これぞ!」という出会いは掴めなかった4人。しかし、出会いの手段にはいろいろな種類があるということを肌で感じる機会となった。

 じっと待っていても出会いは降ってこない。自分が求める男性像や、そんな男性に出会うための方法を模索しながら、前向きな気持ちで一つひとつチャレンジすることこそ重要なのかもしれない。4人の挑戦は、まだまだ続く……!

≪相席屋DATA≫

【エリア】…首都圏を中心に全国展開。

【客層】…エリアによって客層が異なるため、見極めが重要。中には、より上質な出会いの場を演出するR30の店舗も。

【予算】…女性無料。料理とドリンクがフリーなので、「出会い+タダでの飲食」を目的とする女性陣も多い模様。相手男性の気分が乗れば、高価なシャンパンなどにありつけることも。

【メリット】…店側のマッチングにより、必然的に男性との出会いがある。ナンパのような短期決戦型ではなくある程度の時間をかけて同席するため、互いの良さが徐々に見えてくる可能性も。

【デメリット】…男女ともに相手を選べないので、相性が合わないときには盛り上がりに欠けたり、他テーブルに目移りされることもある。

【モテ作戦】…相手を選べないというシステムを受け入れて割り切り、相席した男性に興味を持つ努力をしてみること。

取材・文/ナオミ