ワインの魅力がまるっとわかる、科博のワイン展に行ってみた！

《Zone 2 ワインの歴史》

　ワインはいつの時代から、どのように飲まれ、そしてどのようにして世界中に広まっていったのでしょうか。ワインといえばフランスやイタリアなどヨーロッパのイメージが強いですが、実はその歴史はコーカサス地方で始まったとされています。Zone2では、古代オリエントから地中海を渡り、シルクロードを伝って世界中に広がったワインの壮大な歴史を、古い酒器など貴重な資料を交えつつ紹介しています。

ハリネズミ形注口土器模型（ウルク後期、前4千年紀後半）。背中の注入口から液体を注ぎ入れ、「への字」状に曲がった手前の注口から液体を注ぎ出します。動物形の酒器を使うことで、動物の持つ霊力が授かると信じられていました。

手前：銀製馬装飾リュトン、奥：青銅製山羊装飾リュトン。

ギリシャで出土した、前5世紀頃のものとみられるアンフォラ。ワインの貯蔵や輸送に使われた。ワイン文化は地中海を渡ってヨーロッパへと広まった。（平山郁夫シルクロード美術館蔵）

《Zone 3 ワインをもっと楽しむ》

　ワインは味だけでなくその香りや色でも、私たちを魅了してくれます。例えば同じ「ワインレッド」でも、ぶどうの品種によって濃かったり淡かったり、澄んでいたり濁っていたりと、様々な表情を持っています。香りも花や柑橘、ベリーなど、いろいろな要素が混じり合っています。ここではそんな、ワインの持つ多彩で奥深い魅力を、ユニークな体験コーナーを設けながら紹介しています。また、エミール・ガレのグラスなど、美しい酒器やラベルアート、貴重なボトルも展示。ワインの楽しみ方が、さらに広がること必至です！

バラやイチゴ、レモンなど様々な香りを体験するコーナー。複数の香りのブレンドを当てるクイズも。

様々なワイングラス。グラスの選び方がわかれば、ワインをさらにおいしく楽しめます！

2010年バルト海中に沈む船から発見された、世界最古級のシャンパーニュ。ヴーヴ・クリコ社が1840年頃に生産したものと推定されています。日本初公開！

デヴィッド・リンチ監督がデザインした2000年のドンペリニヨン。

ピカソやバルテュス、ポール・デルヴォー、ニキ・ド・サンファルなど、名だたる画家の名画をあしらったワインラベルの展示。