■男性を立てるように見せて、上手に手綱を引くのも女子力のひとつ?!

――パートナーシップのありかたのお話が出たことろで、地方差からくる男女観の違いについてお聞きしたいのですが。『クロ女子白書』は福岡の番組で、黒瀬さんご自身も福岡のご出身です。九州と東京とで男女観の違いをお感じになられたことはありますか?

黒瀬 「九州男児」というと、女性に対して威張っている男、とイメージされがちだと思います。ですが、実はそうではないんですよね。

 九州の女性が、男を外で立ててくれるんです。男性は前を向いて肩で風を切って歩いていて、女性は立ててくれるけれど、実はうしろで上手に男性をリモコン操作している。男を賢く手のひらの上で転がしているんですね。人前では夫に喋らせて、自分は前に出ない、とかね。

――私も福岡出身で東京在住なのですが、女性がパートナーの男性を人前で軽んじたり貶めたりするようなシーンが、東京でのほうが比較的目に留まりやすいように感じます。人前で男性をこんなぞんざいに扱うものなのか、と驚くことも。スザンヌさんも熊本ご出身で、上京してから男性が飲食店で食事をとりわけてくれることに驚いたとおっしゃっていましたね。

黒瀬 他県民との差はあるかもしれませんが、どんなかたちであれ、その夫婦間でバランスがとれていればいいと思うんですよね。(元プロレスラーでタレントの)佐々木健介さんだって福岡出身で、僕の高校の先輩にあたりますが、あんなふうに鬼嫁の北斗晶さんの尻に敷かれている、ってかんじでうまくいっているわけですし。
(※取材時は9月初旬。北斗晶さん乳癌公表前)

 九州男児気質なんていっても、実はたいしたものではないんですよ。たとえば「おまえ」って、九州の方言のニュアンスだと、そんなにきつい言いかたでも見下した意味合いでもないんですよ。「あなた」とほぼ変わらないニュアンスで、男女ともに「おまえ」ってカジュアルに使うんです。

 でも上京してから、九州とおなじノリで軽く「おまえさ~」って女性に呼びかけたら、「うわ! “おまえ”とか言われたんですけど!!」「これだから九州男児は……」なんて猛烈に非難される。それでかえって九州男子のほうが傷付いてみたりもしているんです。

KENJI やだぁ! でもたしかに九州の人の言葉って、きつく感じちゃうことがあるかも。

黒瀬 まぁ九州女性の男性への接しかたは、男性にとって心地いいものだとは思いますね。手綱の引き加減を知っているというか。

――前回、KENJIさんのお話にあった「汚とぎ話ブス」は、いわばそれとは真逆ですよね。自分はなにもしないで、ひたすら自分を心地よくお姫様にして盛り立ててくれる理想の王子様を待っている……。

KENJI 手綱の引きかたというものを知らないのです。殿方を立てながら、実は女性がうまく転がす、というパートナーシップのありかたをそもそも知らない、わかっていないのでしょう。だから一方的に自分だけがいい思いをしたいと理想を追いかけてしまうんですね。

黒瀬 女性だけが悪いわけじゃないんですけれどね。

■よくも悪くも「女子会」はお互いに影響を与え合うもの

――スザンヌさんには学生時代の仲良し女子の7人グループがいて、そのうち5人が同時期に結婚、妊娠・出産をした、とお話されていましたね。スザンヌさんの場合はいい影響を受け合った例でしょうけれども、女子ってよくも悪くも友だちの影響を受けやすいものですよね。

KENJI そうですね。だからアラサー・アラフォーの独身女子は、本当に結婚したければ、結婚できない女子の集まる女子会には行かないこと! 理想がどんどん高まるばかりだもの。有言実行で行動あるのみ。本当に結婚したかったら、まわりのおなじような女子たちと共有しないことですね。

 それに、女子ってやたら予定を立てたがるものでしょう? 予定ばかりを作って行動が伴わぬまま、なんとなく予定を埋めただけで満足してしまっている。

 予約、約束=プロミス、よりも、決定。約束するくらいなら、いますぐ行動に移すことです。