■年齢を重ねてますます楽しく暮らしていくために
江藤 これからの暮らし方について、お2人はどのように考えていらっしゃいますか?
ジェーン 今後の課題は、ダウンサイズしても楽しい暮らしをいかにつくっていくか。そのためには家やお金のほかに、友達という財産も重要だと思っています。
雨宮 近所に友達が住んでいるだけで、生活が豊かになりますからね。
ジェーン そうですよね。私は、パートナーや友達と同じマンションで一人暮らしをしたいんです。
雨宮 私は、お風呂場とキッチンが完全別になった二世帯住宅で同居するのが理想。
ジェーン いいですね! 最高に贅沢。
雨宮 そんな住宅が増えたら、結婚率も上がるかもしれませんよ。一人になれる場所があって、それぞれの生活が守られる。同居のハードルがかなり下がると思います。
ジェーン 本当ですね。そういえば、85歳までの必要経費を計算してみたら、年金分を差し引いても6000万円も必要だということになったんですよ。
雨宮 そんなに貯められないですよー!
ジェーン そう、そんなに貯められない。ならば貨幣価値を変えようという作戦で、タイのチェンマイに移住するプランを考えているんです。女ばかりで同潤会アパートみたいなのをやろうかという話をしているんですけど、そのメンバーで北海道の未開の地を開拓する案もいいなと思ったり。
雨宮 それなら、猟をしたり除雪をしたりするスキルのある人が強そう。
ジェーン 安くておいしい料理を作れる人とかね。こういうシーンでは若さや美しさじゃなく、まさに手に職があるかどうかが問われるわけですよ。
江藤 ……。これからの暮らし方というテーマで、こんな展開になると思いませんでした。てっきり、インテリアの話題あたりで盛り上がるものと……。
ジェーン そういうフンワリした話は30代で終わったの。40代になるともっとリアルですよ。だって、今から6000万円なんて貯められないもの。
雨宮 これまでは「いつかお金持ちと結婚するかもしれないし」というほのかな思いもあった。でも、老後が射程距離に入ってきてハッと我に返るんですよ。
ジェーン 玉の輿を夢見るのは早いところやめて、マンションを買ったほうがお金持ちになれるよね。……なんて言うと夢がないと思われそうだけど、これは前向きな話題なんですよ!
雨宮 そうですよ。これまで一生懸命生きてきたわけだし、この先の人生も楽しくしたい。そのためには、家を買うことも含めて現実的にどうすればいいんだろう、ということですからね。
取材・文/西門和美
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