『あさが来た』は、多様な生き方の女性が登場するドラマ

 とはいえ、誰もがヒロインのように、たくましく前へ進んでいけるわけではない。あさとは対照的な人生を歩む姉のはつをはじめ、姑のよのや、姉の姑・菊、女中のうめ……と、多様な生き方の女性が登場するのも、このドラマの奥深さ。あさの生き方だけが、正しいわけではない、と大森さんは強調する。

 「結婚している人、未婚の人、子供のいる人・いない人……。いつも意識するのは、どんな立場の人にも寄り添えるドラマでありたい、ということ。登場人物の誰かを好きになって、『こういう生き方もありかも』と思ってもらえたらうれしいです」

 今後は、あさが「人を育てる」という別のステージに進み、いよいよ物語も終盤へ。

 「ステージが変わることで、あさの背負うものや発信するものも変化していく。成長するあさの姿を楽しみにしてください」

大森さんの作品でもっと元気に! 働く女子におすすめDVD

『グッジョブ』
 出演:松下奈緒、徳重聡、市川実日子ほか/07年放送

 建設会社で働く姉御肌のOL(松下奈緒)が、職場で巻き起こる難問題を鮮やかに解決していく。「もともと原作コミックの大ファン。私自身も事務職として働いていたので、OLの彼女たちにすごく共感したんです。その気持ちを見る人に伝えたい、と思って書きました」

『ランチの女王 完全版』
 2万2800円 発売元/フジテレビジョン 販売元/ポニーキャニオン

 東京・下町の洋食店を舞台に、伝統の味を守ろうと奮闘する兄弟たちとヒロイン(竹内結子)が繰り広げるラブコメディー。様々なタイプのイケメンがコック服で働く姿にも注目!「これを見て、『明日もおいしいランチ食べて頑張ろう』と思ってくれたら嬉しいです」

『カバチタレ! <完全版>
 DVD-BOX発売中 2万2800円 発売元/フジテレビ映像企画部

 法律事務所を舞台に、正反対の希美(常盤貴子)と千春(深津絵里)が反発しながらも助け合い、理不尽な社会で戦っていく。2人のパワフルで小気味いい掛け合いも必見。「自分で見ても元気をもらえる作品。迷いながらも主義が一貫した登場人物の姿が気持ちいい」

プロフィール
大森美香さん
72年生まれ。短大卒業後、名古屋テレビ放送へ入社し、一般職として勤務。退社後、フジテレビ契約ADを経て、ドラマ『美少女H』(フジテレビ系)で脚本家、演出家デビュー。『不機嫌なジーン』(フジテレビ系)で第23回向田邦子賞を史上最年少で受賞。連続テレビ小説の脚本は『風のハルカ』(NHK)以来2度目。

 次ページでは、“五代さま”や“旦那さま”、味のある番頭たち……ドラマに出てきた“イイ男”たちをご紹介。読者の人気投票結果は?