「アイデアと移動距離は比例する」!
ますます盛り上がるグランピングは、新しい暮らし方、遊び方の価値観を表すキーワードになりそうな予感です。ハイパーメディアクリエイターの高城剛さんも、ご自身の著書で次のように書いていらっしゃいます。
「アイデアと移動距離は比例します。日常から離れれば離れるだけ、俗と欲がなくなり、自身が活性化しアイデアが湧き出ます。すなわち、本当は持っている素晴らしいアイデアを邪魔しているのは、俗と欲なのです」(『私の名前は高城剛。住所不定、職業不明』、マガジンハウスより)
非日常を体験できるグランピングはきっと、ビジネス的な発想も加速させる!かもしれませんよ。
今回紹介するのはグランピングなムード満点のおしゃれテント「ノルディスク」です。
ノルディスクはデンマーク・コペンハーゲンに本拠地を置くブランドです。そのルーツは寝袋などの寝具を取り扱うメーカーだったようですが、その後「キャラバン・バックパッキング」という名前でテントなどアウトドアグッズをリリース。さまざまな変遷を経て2005年からノルディスクという名で、おしゃれで個性的なテントをリリースしています。
そもそも天幕の素材は古くはコットン製がほとんど。かつては日本のテントメーカーも多数発売してました。ノスタルジックでサファリのような優雅な雰囲気とは裏腹に、重い、かさばる、濡(ぬ)れると乾かない、とアウトドアにはかなり不向きな素材特性から、ほとんどが新素材に取って替わられてしまいました。
しかし、ここにきて再びグランピングというおしゃれでゴージャスなアウトドアブームに乗って、ネイティブアメリカンの住居「ティピ」やモンゴルの「パオ」などをイメージさせるコットン素材のテントに注目が集まりました。
ノルディスクのテントは素材がコットンにポリエステルを混合したことで、キャンバスのナチュラルな雰囲気はそのままに、防水性、乾きやすさや、軽さもプラスしています。さらにこの素材のよいところは、中で煮炊きができること。新素材は防水性が高いがゆえに逆に通気性が悪く、テント内での火の使用は絶対厳禁。その点、ノルディスクならストーブを使用しても安心なので、寒い季節に優雅なキャンプが可能なのです。
慣れれば設営もそれほど手間はかからないそうですが、私はぜひ田舎の家のウッドデッキに常設して、ゲストルームとして使用してみたいなあ。そんな思いで物欲がぐぐっと刺激されたのでした。
福井県出身。生活情報誌『ESSE』元編集長、現扶桑社第四編集局長。月刊『Outdoor』(山と渓谷社刊)編集長の後、アウトドア雑誌やムックを複数創刊。2003年に女性誌『天然生活』(地球丸刊)を創刊し「暮らし系」と言われるジャンルを生み出す。プロデュースした料理本『「ル・クルーゼ」だからおいしい料理』(平野由希子著)はグルマン・クックブック・アワードに入賞。料理ムック『とっておきシリーズ』は累計260万部を突破。2013年には日本最大のポータルサイト「レシピブログ」とコラボした雑誌『レシピブログマガジン』を立ち上げ話題に。フジテレビ「秘密の王子様」、テレビ朝日「お願いランキング」、関西テレビ「流行りんモンロー」など情報番組にもコメンテーターとして出演するほか、企業での講演のほか福井県立大学、京都精華大学等でも特別講義。
(2015.11.12CAMPANELLAより転載)
CAMPANELLA[カンパネラ]
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