アウトドアを満喫しつつ、ぜいたくなくつろぎも堪能
「いやいや、でもちょっと待ってほしい。そのグランピングとやら、どうもなんだか腑(ふ)に落ちない、納得がいかない」という向きの方もおられることでしょう。だいたい自分でテントも立てないし、料理もつくってもらう。そんな至れり尽くせりの体験をアウトドアと呼べるのか?? と。はい、実は私も、以前はそうした疑問を持っていました。
しかし、いまから20年近く前、アメリカのオレゴン州を流れるコロンビアリバーの支流、ジョンデイリバーを川下りをしながらグランピング(という言葉は当時ありませんでしたが)的な体験をしたときの感動は、今も色あせることなく脳裏に焼き付いています。
私の体験はフライフッシングも目的としたリバートリップだったのですが、フィンシングガイド以外に料理をしてくれる料理人とテントやキャンプサイトの設営をしてくれるボーイも帯同する、とても豪華なものでした。ディズニーランドのウエスタンランドのような景色の中をボートで漂いながら魚を釣りまくって、お腹がすいたなーと思うと、先回りしたスタッフたちがテーブルセット済み。最高のワインとおいしい料理で出迎えてくれるんです。
ゆっくり食べて、食後はシガーを楽しみ。木陰にはハンモック。そして気が向けば釣り。もう夢のような200マイルの川旅。ああこのまま日本に帰りたくない……。
今思えばまさにこれこそグランピング。そんな体験が日本でも楽しめるなんて、いい時代になったものです!!
話を戻します。先にも触れた「星のや富士」は、あの星野リゾートが7年の歳月をかけて構想した日本初のグランピングリゾート。富士五湖のうち河口湖を望む高台に位置する6ヘクタールの広大な森の中に、大自然と触れ合える心地よいリゾート空間をデザイン。焚(た)き火や薫製づくりなど、本格的なアウトドア体験が楽しめるようになっています。
河口湖を眼下に臨み一年中快適に過ごせるキャビンは全40室。シェフと一緒に焼き上げるステーキや、焚き火がゆらめくバー……。けれども、特におすすめの季節は、桜が満開になる春だそう。うーんこれは体験してみたい! いや、体験してもう一度このコラムでレポートしなければなるまい!(いいですか?いいですよね? 編集長??)