「やらない」を決めた後の余白を楽しもう

 人生は、目的を持って調べよう、必要な情報が必要なだけ欲しい、というだけでは進まないものです。デジタル時間でいっぱいいっぱいの自分を始業前後に解放して、腰を据えて考える時間を作ることができるようになると、「余白」や「遊び」が生まれます。車のハンドルに遊びがあるように、ちょっとした余白がないと人の考えはがちがちに凝り固まってしまいます。

 「こうであるべきだ」「絶対こうする」という強い意志は時には必要なときはありますが、ときにそのかたくなな考えが自分自身を縛りつけ、邪魔することもあります。寄り道しても、妄想してもいいじゃないですか。そこから夢の種が見つかる可能性はじゅうぶんあります。

 余白があれば、想定外の出来事にも、波乗りのように「面白い波がきたからどうやって乗り越えようかな?」と視点を変えることだってできるようになります。余白があれば、新聞を後ろのテレビ欄から読み始めたり、ニュース記事は最初にあえて読まず、広告記事だけを見て目立つキーワードを見つけてみたりできます。わざと一駅前で降りて散歩しながら向かってみることもできるし、いつもは混んでいてカウンターしか座れないお気に入りのカフェのソファーに座れるかもしれません。ひとつひとつは小さな冒険ですが、毎日ちょっとした変化を自ら生み出すことで、毎日がいつもとは違ったものになるのです。

 そんな「相棒」となるアナログ手帳の作り方を今後お伝えしていきます。どうぞお楽しみに。

 ※第2回「デジタル全盛だからこそ、人とではなく自分とつながる」は明日1月5日の配信です。

プロフィール
池田千恵
株式会社 朝6時代表取締役
池田千恵(いけだ ちえ)
朝の時間を活用した思考整理/情報発信/時間管理/目標達成手法を著書や講演、企業研修などで伝えた経験をもとに、経営戦略としての朝活用を支援する、「株式会社 朝6時」を創業。企業や自治体に朝型勤務導入コンサルティングを行っている。ベストセラーとなった『「朝4時起き」で、すべてがうまく回りだす!』(マガジンハウス)は、朝4時に起きる「ヨジラー」急増のきっかけとなる。『「ひとり時間」で、すべてがうまく回りだす!』(マガジンハウス)、『朝活手帳』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など時間管理、手帳術に関する著書多数。