「適性=得意&好きなこと」とは限らない

 そもそも、適性とは何でしょうか? 適性というのは、基本的に、「その人の性質が、仕事とどれだけマッチングしているか」ということになります。ただし、適性テストを受ければ、自動的に自分に向いている職種が分かるというような単純なものではありません。

 たとえば営業といっても、いろいろなスタイルがあります。営業が得意な人の中には、積極的に相手を引き込む人もいれば、顧客の話をよく聴くことで、ニーズに沿った丁寧な対応ができる人もいます。商品について非常に詳しい人もいれば、フレンドリーで好かれる人もいます。商品の長所も短所も正直に話すことで信頼される人もいるでしょう。

 この性格だったらこの職業、というよりも、性格からくる自分の持ち味を、自分が選んだり、与えられた仕事の中で活かしていく方が現実的なのです。そうしている内に、長く続けることができるのが、自分に適した仕事といえるかもしれません。そもそも、自分の適性を判定できたとしても、ちょうどそれにぴったりの業務につけるとは限らないのです。

 また、自分が好きなことや得意なことが適性だとは必ずしもいえません。自分はそんなに好きな仕事だとは思っていなくても、周囲に評価されるかもしれませんし、自分のイメージでは得意なことだと思っていることが、周りからすると、そうでもないかもしれません。

 エニアグラムを活用することで、自分や人の全体的な傾向性を客観的に把握し、持ち味を活かすことができます。

 一方、「ワークスタイル」というのは、「仕事のしかた」ということで、仕事において何を重視し、どのように取り組むか、人とどのように関わるか、といったようなことを表しています。

 自分や人のワークスタイルを知ることにより、長所を伸ばし、短所を補い、多様な個性を活かし合って、チームワークを向上させることができます。

 この記事では各タイプの「ワークスタイル」、「得意なこと」、「苦手なこと」を紹介します。また、タイプをすぐに確定できなくても、さまざまな仕事のやり方や傾向性があることを理解するだけでも、今後の仕事に役立つでしょう。

 どんなタイプの人でも、自分らしさや長所を活かしながら、苦手なことに取り組み、周囲の協力を得ながら、リーダーシップを発揮したり、仕事で活躍することができます。今回の記事が具体的なヒントとなり、役立つことを願っています。