「中学レベルの知識で英語は話せる!」という英語トレーナーの青木ゆかさんと、世界50カ国を旅した後に日本で起業した太田英基さん。「苦手な英語」を克服した秘訣を公開した対談は好評を博しました。海外情報が満載の、スマートフォン向けデジタルマガジン『日経GLOBAL GATE』で交わされた、熱い対談第二弾をご紹介します!

とっさの英会話で役立つ3つのトピック

太田英基さん(以下、太田)――青木さんが、すてる英語トレーナーとして生徒たちを指導したいと思う、そのモチベーションになっているものは何ですか?

青木ゆかさん(以下、青木)――とにかく英語を話せれば、世界中の人とコミュニケーションが取れる。そのワクワクするような楽しい経験を、少しでも多くの人に伝えたいという気持ちですね。

太田――よくわかります。僕も英語の勉強は嫌いでしたが、英語を使っていろいろな国の人と話すのは大好き。フィリピンに語学留学をしていたとき、英語の上達とともに友達が増えることで、世界が広がる気がしたのを覚えています。

青木――ついこの間、シンガポールに行ったんです。レストランの店員さんと英語で会話したり、タクシーの運転手さんから町のいろいろな情報をもらったりしながら、「シンガポールもいい所だな、いつか住んでみたいな」なんて考えて、本当に久しぶりにアジアの町を1人で歩いたんです。そうしたらなぜか、感動で震えてきてしまって。

太田――何にそんなに感動したんですか?

青木――私、会社勤めのころにも、毎日英語を使って仕事をしていました。でもシンガポールで感じたのは、そういう英語の使い方ではなく、異国の人たちと触れ合いながら、世界のどこででも好きなように生きていくための英語。そういう自分を鮮明に思い描けるのも、英語があるから。なんて素晴らしすぎる道具を手にしてし海外の若者はとっくにグローバルだまったんだと、震えるような気持ちになったんです。

 そして、この感動をよりたくさんの人に渡すことができたら、日本はもっと豊かになるだろうなと思ったんですね。

太田――青木さんのように、短期間の海外旅行でも、現地の人といろいろコミュニケーションを取ってみるだけで、旅先の楽しみが違うものになるはずなんです。海外旅行が趣味といいながら、現地の人と話もしないで帰ってくる人が多いのはもったいない!

青木――きっとそういう人は、見知らぬ海外の世界を「怖い」と思い込んでいるんでしょう。海外にいても、旅行者でいる限りそこは「安全領域」。だから私はよく生徒さんに「海外旅行に行ったら、ここに住んだらどうかな? というイメージで町を歩いてください」と言います。現地の人に近い視点で町を見るだけで、景色が違って見えてくる。さらに、現地の人に何かを話しかける勇気さえ持てれば、旅がさらに楽しくなる。

太田――わかります。でも日本人の多くは、外国人に何を話したらいいかわからずに口ごもってしまう。あるいは、逆に何を尋ねられるか怖くて話しかけられない場合が多い気がします。

青木――そういう人に私がおすすめしている英会話の“3大トピック”があるんです。それは「自分の経験談」と「自分の専門分野」、そして「日本文化」の3つ。旅行前に、この3つについて10分くらい英語でプレゼンテーションできるように、練習しておいたらどうでしょう。話のきっかけには困らないし、とっさの英会話におびえることもなくなりますよ。

太田――トピックの英語を何度も反復練習して、体に覚えさせておけば、きっと完璧ですね。