anzphoto_Inc, / PIXTA
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 相手にうまく自分の気持ちを伝えられない、自分は話ベタだ、という悩みを持つ人は多いと思います。

 私は就活アドバイザーとして、多くの学生を指導しています。その経験からいうと、「自分に自信がない」という悩みを持つ人が、面接などでうまく話せないことが多いように感じます。学生でなくとも、自分に自信がないことが原因で、話ベタになってしまっている人はけっこういるでしょう。

 自信がないということは、悪いことばかりではありません。なぜなら、自信がない人は、広い世界が見えているがゆえに、「自分はまだまだだ」と謙虚になっているからです。

 私は学生のとき、就職活動の面接で、自信満々に「ビジネスコンテストで優勝した経験があります! ベンチャーを起業したこともあります!」という話をしていました。ところが、これに対する面接官の反応は冷たいものでした。「だったら、うちみたいな会社じゃなくて、起業の世界で生きていけば?」と露骨に言われたこともありました。

 たしかに、コンテストで優勝したといっても、それは学生の世界の話です。ベンチャーを起業したものの、すぐにだめになってしまいました。つまり、学生以外の世界では、失敗したのでした。私は、失敗の話はせずに、「優勝して、起業しました」とわかりやすい成功体験を強調していたのです。